「入試に向かう電車賃がなくて切羽詰まった18歳の私。見知らぬおじさんに貸してほしいと頼んだら『あげるから...』」 (千葉県・40代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者Oさん(千葉県・40代女性)
その日、Oさんは短大の入試を受けようとしていた。
しかし、電車を乗り換えるときに思いもよらないミスが発覚し......。
<Oさんの体験談>
18歳の頃、朝の通勤ラッシュにもまれながら短大の入学試験に向かった日のことです。
当時は交通系のICカードはなく、プリペイドの乗車カードが主流。 私は「プリペイドカードで事足りるし、寄り道もしないで帰るからいいか......」とお金は持っていきませんでした。
「このままでは受験できない!」
しかしそのプリペイドカードでは私鉄にしか乗れず、JRでは使えなかったのです。そのことを知らなかった私は、私鉄からJRへの乗り換えが出来なくなってしまいました。
余裕をもって家を出ていたものの、 お金を取りに家に帰るには時間が足りません。
私は「このままでは受験できない!」と完全にパニックになってしまいました。
そして何を思ったのか、JRの切符売り場で並んでいる50代くらいの男性に、思い切って声をかけたのです。
「すみません!実は、これから受験会場に向かわないといけないのに、お金がなくて......。貸していただけませんか!」
そのおじさんは、こう答えました。
「貸しません!」
「目に涙がたまりました」
一瞬固まる私に、おじさんは続けました。
「あげるから、頑張っておいで! 帰りの運賃も渡そうか?」
その言葉に緊張が一気にほぐれ、目に涙がたまりました。
帰りは受験会場に塾の友達がいるからどうにかなると思うと伝え、 行きの運賃のみを頂きました。
おかげで緊張がほぐれ無事合格でき、その後同系列の4大に編入しました。
本当ならお名前を伺って、お礼をしないといけなかったのですが、当時はパニック状態でそのまま電車に乗ってしまいました。
その節は本当にありがとうございます。
今も忘れず、感謝とご健康をお祈りしております。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko[a]j-town.net、[a]を@に変更)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)