声に出して「ジャラーン、ジャラーン」と言ってみて コロナ禍で鈴を鳴らせなくした神社、超斬新な参拝方法を提案
神社でお参りする時、「ジャラーン、ジャラーン」と鈴を鳴らす。そのために使う、あの太い縄のようなものを「鈴緒」という。
その鈴緒を新型コロナ対策のために使わないようにしたことで、新たな「風習」が生まれた――そんな神社がツイッター上で話題になっている。
2023年3月31日、神奈川県内の情報を発信するツイッターユーザー大神奈川(@GreaterKanagawa)さんは、フォロワーから提供された1枚の写真を投稿した。
それは、神奈川県内の神社で発見された1枚の張り紙を写したもの。書かれているのは、以下のメッセージだ。
「新型コロナ感染症の蔓延防止のため鈴緒の使用を不可としています
物足りない場合は『ジャラーン ジャラーン』と言われてからお参りください」
鈴緒で鈴を鳴らせない分、自分の口から音を出すことを提案している。鈴の音がないと物足りない気がするのはわかるが、口で......?果たして、実行している人はいるのだろうか?
神社「観測していました」
張り紙があるのは神奈川県海老名市にある有鹿神社。提供者は3月25日に初めて同社を訪れたという。「ジャラーン、ジャラーン」とは、言わなかったそうだ。
Jタウンネット記者が4月11日、同社の広報担当者を取材したところ、張り紙は20年4月から掲出しているという。そして、その時から「ジャラーン、ジャラーン」という人がいるか、様子をうかがっていたらしい。
「2020年4月の掲出から観測していました。統計はとっていませんが、感覚で約3割です」(広報担当者)
......約3割もの人が「ジャラーン ジャラーン」と言っていたとは、驚きである。
ところで、神社の鈴を鳴らすことには2つの意味があるという。(1)鈴の清らかな音で自身の心身を清める、(2)良い音を捧げることで御神前を賑わせて神様に元気になってもらい、その元気を神様から分けてもらう、というものだ。
そして、口で「ジャラーン、ジャラーン」と発することを提案したのは(2)のため。
「新型コロナ感染症の感染防止のためとはいえ、神社参拝につきものの鈴の使用ができないのはさびしいことです。
『ジャラーン ジャラーン』と声を出してお参りすることで、神様へ元気を送り元気を分けていただくこともできるのではないかと考えて掲示しました」(広報担当者)
そして(1)についても、人の手に触れずに鳴るウインドベルを手水舎に下げることで代わりとしているそう。
同社では「新型コロナ感染の危険性がなくなるまで」、もしくは「鈴緒の使用後に自動的に消毒できるようになるまで」鈴緒の使用を再開しない予定とのこと。
屋外で元気いっぱい「ジャラーン、ジャラーン」と言いたい人は、ぜひ有鹿神社へ。