花粉症の会社員、シュールすぎる「シェルター」を生み出してしまう 見た目はヤバいが...症状7割減!?
いよいよ春らしくなってきた今日この頃。過ごしやすくなるのは喜ばしい一方で、花粉症の人にとっては辛い時期でもある。
そんな中、どうにかして花粉の脅威から身を守ろうと生み出された発明品が、ツイッター上で話題になっている。
こちらは、三重県在住の会社員・みろ(@miro_twit)さんが2023年3月11日に投稿した画像だ。
「最近作ったこれ使って寝てるんだけど、マジでここだと深呼吸しても鼻が痒くないのすごい。空気清浄機通すと花粉消えてる」
そんな呟きが添えられた写真には、青い布が取り付けられた段ボール箱に顔だけを突っ込んで横たわる人の姿が映っている。謎の箱の側面からはビニールのような物が飛び出し、横に置かれた機械と繋がっている。
おそらく呟きにある「空気清浄機」なのだろう。ホース状になったビニールを伝って中の空気を浄化してくれているようだが......かなり珍妙な光景だ。
シュールすぎる状況に、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。
「この手がありましたか...」
「斬新すぎる笑」
「逆にココまでしないと花粉から逃げられないとか怖すぎる」
この「装置」、どんな構造になっているのか。Jタウンネット記者は13日、みろさんに詳しい話を聞いた。
「寝ながらも空気清浄機を吸いたい」という思い
中~重度の花粉症だというみろさんが自宅で「装置」――その名も「世紀末BOX」――を作ったのは7日のこと。
「今年の花粉はここ10年で最強クラスであり、昼間はマスクをすれば何とか凌げますが、睡眠時は寝室に空気清浄機を置いてもどうにもなりません。毎朝鼻が詰まって息苦しく、寝不足で目覚めてしまいます」(みろさん)
少し出かけるだけで痒くて泣きそうになるため、空気清浄機の前に顔をくっつけて呼吸する時も。そこで芽生えたのが「寝ながらも空気清浄機を吸いたい」という思いだ。
結果、「世紀末BOX」が誕生した。
「漫画『こち亀』にて、猛暑のなか外出するために全身を宇宙服のようなもので覆い、エアコンを背負って出かける回があるのを見たことがあり、着想はここから得ました」(みろさん)
みろさんが用意したのは、ダンボール・スーパーのビニール袋・ガムテープ。お金をかけずに簡単に、そして、痒くて外に出たくないため家にあるものだけで、という点にこだわったという。
まさかのホームシアター機能付き
まずは、空気清浄機とダンボール箱を繋ぐダクト代わりのホースを作った。
細長い形状のものが欲しかったため、幅広のビニール袋を縦に半分に切り、切断面を半田ごてで溶かして溶接することで用意したという。
次に、ダンボールの側面を切り取って顔を入れるための開口部を作り、青い布をつけてカーテンに。ダンボールに作った穴と、空気清浄機の吹き出し口をホースで繋いだら、完成だ。
特に大変だったのはホースの製作で、熱をかけすぎてビニール袋が溶けて穴が開いてしまう、といった失敗もあったそうだ。
「世紀末BOX」の中でより快適に過ごせるよう、ホームシアター機能も完備。箱の天井にはスマホスタンドが設置されていて、寝ながら動画などを見ることもできるそうだ。
症状の7割ほどが軽減
「世紀末BOX」導入以前、みろさんは毎朝目と鼻の猛烈な痒みはもちろん、左右の鼻の詰まりによる息苦しさ、それによる酸欠が原因であろう頭痛に苦しみながら起床していた。
しかし、導入後は症状の7割ほどが軽減。わずかに目と鼻が痒い程度で鼻詰まりや頭痛もなく、目覚めもそこそこすっきりしているという。
「ただ、少し狭いので夜中に箱にぶつかって起きることもありますね。大きな寝返りをすると箱が動いて配管が外れてしまい、翌朝花粉症に苦しみます」(みろさん)
たまに不具合が起きてしまうこともあるようだが、基本的には花粉症対策として「世紀末BOX」はかなり効果的だったらしい。
ただ、みろさんの投稿には
「空気清浄機のフィルター清掃をまめにしないと、カビなどを吸い込んでしまい肺炎になる可能性がある」
「ダンボールは湿気に弱くカビが発生しやすいことや、ダニの住処になっていることがあるため、別のアレルギーを生じる可能性がある」
という指摘も寄せられており、もし真似するにしても、ダンボール以外の素材にした方が良さそうだ。
なお、みうさんは「世紀末BOX」の作製手順や使用感を説明する動画をYouTube上でも公開している。