咳が止まらない私に、おばあさんが...
その日は咳がひどくてあまり体調がよくなかったのですが、熱があるわけでもなかったので会社を休む訳にもいかず仕事をしていました。
地下鉄銀座線の移動中、少しの時間でも休みたくて、咳をしながら座っていました。
一度咳き込むと止まらずにコンコンしていたら(今じゃ考えられませんね)、隣のおばあちゃんが、
「あなた、飴どうぞ」
と差し出してくださいました。
当時の私は親切を受け取る気力もなく、最初は断ったのですが、
「いいから」
と勧められて、半分面倒くさい気持ちでおばあちゃんからの飴を受け取り、口に放り込みました。