一体だれが、何のために? マネキンで覆いつくされた「奇妙なタワー」の謎を追う
夜道で遭遇したら、ギョッとしてしまう――。そんなオブジェが日本にはたくさんある。
今からご紹介するのもその一例。とあるツイッターユーザーが目撃したのは、あまりに奇妙な造形物だった。
夜の闇の中で銀色に浮かび上がっているのは、大量のマネキンを集めて作ったようなタワーだ。マネキンはバラバラに切断され、いろんな方向に、いろんな部位が突き出している。
これは2023年2月5日、東京都在住のツイッターユーザー・えぬびい(@enuenuenubi)さんが投稿したもの。
えぬびいさんは写真とともにこうつぶやいている。
「道を走っていたらマネキンが大量に埋め込まれた謎のタワーが突如出現した。
意味不明&奇妙な光景に見とれてしまった・・・すごい造形物だ」
一体これは何なのか?
7日、Jタウンネット記者の取材に応じたえぬびいさんによると、話題のマネキンタワーは2月上旬、国内某所の車通りの激しい国道沿いで発見したもの。記者が調べたところ、モニュメントを設置するのは、全国に事業所を持ち、マネキンの製造販売やレンタルを行う企業「ローザ」だった。同社マネキン原型室の室長に話を聞いたところ、タワーはドライバーのために作られた「目印」だという。
「当時は周辺に他の建物もなく、マネキンがなかったときは気付かず通り過ぎてしまうドライバーの方が多くいました。そのため、ここがマネキン会社だと一目みて分かるようにマネキンを塔に張り付けたモニュメントを作ったそうです」(マネキン原型室の室長)
制作したのは当時同社の専務を務めており、日本の抽象彫刻を代表する彫刻家・建畠覚造氏。1982年に、廃棄になったマネキンを集めて切り、現場に持っていて樹脂で貼り付けながら塔を作ったそう。デザインの理由については建畠氏がすでに亡くなっているため、分からないとのことだった。
ちなみに編集部のO記者も、運転中にこの道を通ったことがあるという。初めて見たときは「ん?」と一瞬気を取られることもあったそうだが、今ではマネキンを見ると「そろそろだな」と感じるとのこと。地元のドライバーの「目印」にもなっているようだ。
奇妙で目を惹くマネキンタワーには、ツイッター上で1万を超える「いいね」(14日昼時点)のほか、こんな声も寄せられている。
「し...CGじゃない!!」
「GANTZのぬらりひょんかと」
「シン・ゴジラのラスト」