「混雑する夜の電車で、私の肩にもたれかかってくる酔っ払い。怖くて何も言えずにいた私に、向いに座っていたサラリーマンが...」(神奈川県・40代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Jさん(神奈川県・40代女性)
大学生だったJさんは、アルバイト帰りに混雑する電車に乗り込んだ。
運よく席には座れたものの、隣に座った男性がひどく酔っぱらっていたようで......。
<Jさんの体験談>
大学生の頃の話です。21時にアルバイト先を出て帰りの電車に乗りました。
混雑する時間帯の中で運良く座ることができたのですが、途中で私の右隣に50代くらいと思われる恰幅の良い酔っ払いの男性が着席したのです。
「ちゃんとしてください」
右隣に座る男性は、大きないびきをかいてうたた寝を始めています。
私は居心地の悪さを感じましたが、混雑する電車内では思うように移動ができそうもなく、携帯を触りながら何とかやり過ごすことにしました。
しかし、電車がガクンと揺れたはずみで、酔っぱらい男性の頭が私に思いっきりぶつかりました。その衝撃でその人も一度は目を覚ましたのですが、私を見て妻か恋人と勘違いしたのか笑顔を見せて、今度は私の肩に頭を乗せてもたれかかってきたのです。
酔っ払いはそのまま再び熟睡&いびき。何とか起きてもらおうと右肩をあげてみたり左に寄ってみたりしましたが、効果はありません。
私は「あと10分我慢すれば...」と、諦めの境地に入っていました。無理やり起こして騒ぎになったら周りから注目されてしまうのではないかと恥ずかしかったし、酔った男性が暴れ出すかもしれないと考えると怖かったのです。
そんな一連のやり取りを、私の向かいに座る40代ほどのスーツ姿の男性2人組が見ていました。そして......。
「ちゃんとしてください。降りる駅過ぎてませんか? 乗り過ごしますよ?」
2人組の内の1人が、酔っぱらいの体を起こし、もう1人は私に「大丈夫?」と笑顔を向けてくれたのです。
「ヒーロー以外の何者でもありません」
目を覚ました酔っ払いは驚いた様子で、その場から立ち去りました。
私は「あぁ、解放された...」と、大きな安堵感を覚えました。
その後すぐに降車駅に到着したため、スーツ姿の男性2人組に簡単なお礼しかできませんでしたが、私にとって彼らはヒーロー以外の何者でもありません。ありがとうございました!
このときのことは公共交通機関を利用するときのマナーとして、私自身、今でも反面教師にしていますし、もし何か困っている方に気づいたら、周りの方と協力をして対応しよう、と強く思わされた経験でした。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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