美術館、劇場、Barに朝市... 「日本一の旅館」はもはや「旅館」の域を超えていた
旅館じゃなくて美術館のレベル
張原さんによると、加賀屋は「日本文化の継承」というコンセプトのもと、館内に様々な作品を散りばめている。伝統工芸品のショーケースのように、滞在を楽しんでもらおうという狙いだ。
中には人間国宝・木村雨山(1891-1977)の加賀友禅や日展作家・西塚栄治(1943-2009)のアルミの上に漆と螺鈿(らでん)を施した珍しい輪島塗といったビッグネームの作品もある。
圧巻だったのは「能登渚亭」という棟の1階~12階の吹き抜け部分の壁一面にわたる作品「四季の花」だ。加賀友禅作家・梶山伸(1908-1997)による37メートルもの長さの大壁画で、ガラス張りのエレベーターから間近で観賞できる。
これだけ伝統工芸品に触れると、宿から一歩も出てないのに、「石川県に来た」感がすごい。
「そういうの見てもよくわからないし......」という人も16時~と17時~に行われる「加賀屋湯番頭と行く『館内は美術館ツアー』」(宿泊者限定)に参加すれば解説もしてもらえるので、安心だ。