竪穴住居に入り、火焔型土器で作った鍋を。 笹山遺跡で体験できる「縄文鍋」がロマンしかない
少し燻されたような香ばしい香りと味
投稿者「縄文ZINE」さんは、1月8~9日に行われたとあるツアーの中に、新潟県十日町市の笹山遺跡の竪穴住居で「縄文鍋」を体験したのだという。
「醤油ベースの鍋で、シャケ鍋です。野菜やキノコ、さつまいもも入っていました」と、「縄文ZINE」さん。
「学芸員さんによれば同じ食材で同じ調理法で普通の鍋で作るのと、火焔型土器の鍋で作るのでは味が変わるとのことです。色々話した結論としては、火焔型土器は鍋の把手が内側に湾曲しているので、それに沿って煙が巻き込むように鍋の中で循環するのが作用しているのでは、とのことでした。
味は確かに少し燻されたような香ばしい香りと味がして、かなりおいしかったです」(「縄文ZINE 」さん)
「縄文ZINE」さんが参加したのは「十日町市雪国体験ツアー」(クラブツーリズム主催)。「学芸員さん」というのは、国宝「火焔型土器」を展示する「十日町市博物館」の学芸員のことだ。Jタウンネット記者は、十日町市教育委員会にも取材した。
「火焔型土器で縄文鍋を作る」という企画はどんなきっかけで始まったのか? 十日町市教育委員会の担当者は、次のように説明する。
「もとは国宝・火焔型土器が出土した笹山遺跡で活動するボランティアと一緒にウチウチで行っていたものでしたが、ワークショップを開催した際にお客さんに無料でふるまったりしているうち、結構喜んでもらえることがわかったので、ツアー商品化して提供するようになりました」(十日町市教育委員会担当者)
なんと、ウチウチで行っていたものが、ツアー商品化にまで発展したというわけだ。「縄文文化を生々しく体感することで、好奇心を満たしていただくことが、狙いです。やってみたい! という方がいる限り続けていきたいと思います」と、担当者は胸を張る。