コインリターン式ロッカーはまるで「走れメロス」? とある漫画描きが気付いた「類似性」とは
「メロスは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の王を除かなければならぬと決意した。」
皆さんご存じ、太宰治『走れメロス』の冒頭である。このフレーズと、メロスの友人「セリヌンティウス」の名前の響きが記憶に刻み込まれている、という人は少なくないかもしれない。
3日目の日暮れまでにメロスが戻ってこなければ殺される。そんな条件を無言で受け入れ、人質となったセリヌンティウス。たった1度ちらと疑ったことを除けば、3日の間、メロスを信じて待ち続けたセリヌンティウス。
なかなかできることではない。しかし、まるで彼のように「信じて待ち続てくれる」ものがある――ツイッターで漫画を発表している「さてよ」(@sateyo)さんはとある身近な存在について、そう考えた。
こちらは、さてよさんが2023年1月9日に投稿した2コマ漫画の一部。さてよさんと夫の会話を元にした作品だ。
百円を入れて鍵を閉め、鍵を開ければ返ってくる「コインリターン式」のロッカーで使った硬貨がセリヌンティウスっぽいと語るさてよさん。
メロスにとっての妹の結婚式のように、何か用事を果たすために百円玉を置いていくロッカー使用者。使用者は「必ず戻ってくる」と思っているだろうし、百円玉のほうも戻ってこないとは思っていないだろう。そう考えれば、似ている、のか?
100円に感謝する心が...
さてよさんの夫は、妻の「リターン式ロッカーで使う百円玉はセリヌンティウスっぽい」という考えに、こうコメントした。
バッサリである。
さてよさんの漫画には、ツイッター上でこんな反応が。
「異常に格安www」
「確かに安いわ」
「100円に感謝する心が美しいですね」
投稿者へのツッコミが多い中、100円を愛おしむことができる心の美しさを賞賛する声もあった。
ただ、メロスがセリヌンティウスと自分の友情が百円玉と持ち主との関係に近いと思われたと知れば、驚きを隠せないハズだ。あるいは、再び激怒してしまうかもしれない。
(ライター:Met)