フォードに乗った観音様に「世界乗り物館」 群馬県に「車愛」が凄すぎるお寺があった
オシャレな車に乗っている観音様が群馬にいるらしい――そんな噂をJタウンネット記者は聞いた。
雲や龍神に乗っている観音様なら聞いたことはあるが、自動車って......。
気になった記者は現地へ向かった。
めちゃくちゃ乗ってた。
近くにある石碑によると、この観音様は「交通安全大観音像」といい、交通安全を祈願して1985年に建立された。そして、こんな一句もきざまれている。
「お車に 感謝の心と 思いやり」
なんか、車への愛が凄くない?
「車に感謝し車を愛する心をもち...」
句だけではない。石碑の一部を以下に書き写す。
...私たちの文明発展を支える車に感謝し車を愛する心をもち合掌礼拝の念をいただき蓮華台上に自動車の元祖アメリカ フォード車の第一号を形どった石の車を祀り全てのお車が無事に運行され万民富楽と子孫長久、諸難消除を願い...(原文ママ)
やはり、車への愛があふれ出している。観音様が乗っているのも「フォード車の第一号」というはっきりとしたモデルがあった。
車愛が凄すぎるこの寺は、群馬県安中市にある龍昌寺(りゅうしょうじ)。
参道の両側には「和合の鐘」と呼ばれる108の鐘が並ぶ名所があり、同志社大学設立者として知られる新島襄氏が、874年に米国から帰国した際、最初のキリスト教の伝道演説をした場所でもある。
1616年建立で、歴史も格式もある寺なのだが......本堂の横には、こんな建物もあった。
ミニカーと仏像のコラボ
「世界乗り物館」!?
お寺なのに博物館みたいな名前が付けられているが、どういうことなのか。入り口を開けて、建物内の電気をつけると驚きの光景が広がる。
ミニカーがずらりと並んでいたのだ。
トレーラーからショベルカーまでその種類は豊富。あまり車に詳しくない記者もすっかり見入ってしまった。
ミニカーだけでなく、展示スペースのなぜか上段には仏像もなぜかある。寺だから仏像があるのは当たり前なのだが、なぜミニカーと一緒に......。
この建物は一体、何なのか。Jタウンネット記者が龍昌寺の住職に話を聞くと、こう答えた。
「世界乗り物館は先代の住職が趣味で集めていたミニカーを飾っています」
世界乗り物館は交通安全大観音像と同じく1985年ごろに建てられたもの。先代の住職は、ものすごい車好きだったようだ。観音様がフォードに乗っているのも、自分の趣味をふんだんに反映させたものなのではないか――そんな憶測をしてしまった。
フォードに乗った観音様に、ミニカーが展示されている世界乗り物館。龍昌寺は車好きにはたまらない場所ではないだろうか。