「後光」じゃないんか~い! 群馬「悟留譜観音」が背負うまさかのアイテム
突然だが、皆さんに見ていただきたい観音様がいる。
群馬県安中市にある全性寺(ぜんしょうじ)に鎮座する「悟留譜観世音菩薩」だ。
観音様の背後には、放射状の模様。後光だろうか? それとも千手観音的な......?
いや、それにしては形がおかしい。棒の先に丸っぽい何かが付いている。
これが何かというと、観音様の名前にヒントがある。
悟留譜――これをすべて、音読みしてみてほしい。
背中に13本、手に1本でフルセット
そう、悟(ご)、留(る)、譜(ふ)である。この観音様は通称・ゴルフ観音。
背負っているのはアイアンやフェアウェイウッドなど13本を背負い、よく見ればその手にはパターが。14本......フルセットである。
ゴルフ観音は多くのゴルファーに慕われているようで、その像の前に広がるのはこんな光景だ。
ゴルフがうまくなりたい。ホールインワンを達成したい。そんな願いが込められているようだが......ご利益はあるのだろうか?
Jタウンネット記者が全性寺の住職に話をきくと、こう話した。
「ここに来てからホールインワンを4回も決められたという方がいらっしゃいました」
「ゴルフの上達」を祈願して...ではなく
実際、寺務所にはホールインワンを決めたゴルファーから贈られた色紙が飾られている。
また、プロゴルファーでも、それまで通算で未勝利だったが、ボールを納めてからツアーで年間2勝を挙げた選手もいたのだとか。プロアマ問わず、効果は絶大なのかもしれない。
しかし実は、ゴルフ観音はゴルフの上達のために作られたものではなかった。
全性寺のゴルフ観音が出来たのは、1990年10月のことだ。当時、全性寺のある秋間地区でゴルフ場の建設ラッシュを迎えていた。
同寺の檀家にも建設関係者やキャディーとして従事する人などゴルフ場とかかわりを持つ人が増加したため、そんな人々の安全や地域の隆盛を祈願してのことだったという。
ちなみに「悟留譜(ゴルフ)」の当て字は住職が考案。悟は悟り、留はタメ、譜は基礎の意味が込められている。
観音様の前でスイングを披露する参拝者
しかし、いざ建ててみると......。
「プレイヤーの方が非常に多くいらっしゃるのです。いつしか、自分のボールを納めていく方が出てきました」(全性寺の住職)
中にはボールを持ってくるだけでなく、クラブを持参して観音様の前でスイングを披露し「これで大丈夫でしょうか」と話しかけるゴルファーまでいるという。
そして、アマチュアゴルファーだけでなく、プロゴルファーからもボールが納められるようになった。
当初の目的とは違う願掛けをしていくゴルファーに愛されるようになったことに対して、「人それぞれの願いがあっていい」と住職。ゴルフ観音様はしっかりと願いを受け止めてくれるそうだ。
全性寺では、ゴルフ観音が描かれたキーホルダーと悟留譜(ゴルフ)御守を1つ500円で販売している。願いが強い人はこちらを買ってみるのもいいだろう。親孝行な記者は、ゴルフ場で転倒して骨折した父が二度とプレー中にケガをしないよう願いを込めて2つとも買った。
年末年始休暇を利用してコースに出る人は、ゴルフ観音様にお参りしてからプレーすると、ミラクルが起きるかも!?