「東京へ行く為に、1人で寝台列車に乗った女子高生の私。自分のベッドにいたら、3人の若い男たちが...」（神奈川県・50代女性）

シリーズ読者投稿～あの時、あなたに出会えなければ～　投稿者：Bさん（神奈川県・50代女性）

高校時代の冬休み、Bさんは東京にいる兄の下宿先に行くために寝台列車に乗り込んだ。

すると、自分の席の向かい側には若い3人組の男たちがいて......。

＜Bさんの体験談＞

私が高校２年か３年の時の冬休みのお話です。2歳上の兄が東京の学校へ通っていて下宿暮らしをしていたので、冬休みを利用して泊りに行くことになりました。

その頃はまだ上越新幹線はなく、移動で昼間が潰れるよりは寝ている間に東京に到着して朝から遊べる方がいいと考え、寝台列車で行くことにしました。

「こんな夜中に？」

夜、羽越線の村上駅から寝台列車に乗りこみ、初めての一人旅がスタート。進行方向を向いて左側が通路、右側に開放B寝台で、そこが自分の席でした。

上段だったか下段だったかも覚えていませんが、ベッドにいると向かい側にいた大学生くらいの３人組の若い男性が声を掛けてきました。

「これよかったらどうぞ」
「沢山あって食べきれないから」

そう言って彼らが差し出して来たのは、フライドチキンのバケツ。「こんな夜中に？」と思いながらも、話しかけられたことも嬉しく、ありがたくいただきました。

1ついただいたのか、全部いただいたのかも覚えていません。その他にどんな会話をしたのかも覚えていません。いま思えば、たぶんクリスマスシーズンだったような気がします。ですからフライドチキンだったのかもしれません。

そして翌朝、上野駅に到着すると駅のホームには兄が待っていてくれました。

記憶に残る楽しい旅になった

今では一人で全国各地へ乗り鉄に行くほど鉄道旅が大好きですが、高校生だった当時は鉄道には全く興味がなく、フライドチキンをいただいたあの車両の列車名や形式は何だったのか覚えていなくて残念でなりません。

今は携帯電話もありますし、旅の途中で気が合った方とは連絡先を交換してSNSなどで簡単に繋がったりすることもあります。

あのとき大学生らしきグループが高校生の私に話しかけてくれたことで、旅は知らない人とでも楽しく過ごせると知りました。

初めての寝台列車の一人旅の途中だったので、記憶に残っているのかもしれません。良い思い出になりました。

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