この発想は無かった! 「現代風」にアレンジされた「金印」爆誕→まさかのQRを読み込むと...
「漢委奴国王」――江戸時代、博多湾に浮かぶ志賀島で発見されたという黄金の印章に彫られていた言葉だ。古代中国の王朝・漢の皇帝から委奴国王に与えられたそれは、日本でもっとも有名な「金印」である。
そんな金印を「現代風」にしてみたというユーザーが、ツイッター上に現れた。「現代風」とは一体、どういう意味なのだろうか。まずは映像をご覧頂こう。
こちらは、千葉県在住の大学生・まこ(@MakoTr_315)さんによる2022年11月10日の投稿。動画には、まこさんが3Dプリンターで作成した金印が映っている。本物の金印は持ち手の部分は蛇の形だが、シンプルな形状にドット柄のようなスタイルで、スタイリッシュ。
現代風というのは、「3Dプリンター」を使うという制作工程やデザインのことを言っているのだろうか......と思いきや。
なんと、印面がQRコードになっている! しかも、スマホで読み取ってみると表示されるのは「漢委奴国王」の文字。これはたしかに現代的だ!
で、なぜ金印にQRコードを?
それにしても、一体なぜ金印とQRコードを組み合わせてみたのだろうか。Jタウンネット記者は10日、製作者のまこさんに詳しい話を聞いた。 まこさんが話題の金印を作ったのは8日~10日にかけてのこと。自宅にある工作用の3Dプリンターで何か作れないか考えていたところ、金印の印面が正方形であることから、「もしこの印字がQRコードでできていたら」と思いついた。
そこで、まずはウェブ上にあるQRコード変換ツールで「漢委奴国王」というテキストをQRコードに変換し、図形データをダウンロード。次に、3DCAD(コンピューターによる設計支援ツール)でQRコードの図形データを読み込ませて凹凸を付け、取っ手部分などのモデリングを行い、金印のモデルを作成した。
そして、作成した3Dデータをスライサー(3Dプリンターを動かすためのデータを作成するソフト)で読み込んでデータをさらに変換し、それを3Dプリンターに入れてQRコード付き金印を造形。最後にフィラメントと呼ばれる造形用のプラスチック材料に金色の発色のあるものを使用し、無塗装で金印の色を表現したという。QRコードの凹凸部分の形状が細かく構造上脆かったため、何度も印字面の試作を行なわなければならなかった点には苦労したそうだ。
「取っ手部分の本来の形状が複雑でしたので、モデリングにかけるコストが低く、ある程度単純な形状であっても、見てすぐに『これは金印だ』とわかるビジュアルを目指した点がこだわりです」
と、まこさん。金印を押したらQRコード、という不思議さが面白い作品に、ツイッター上ではこんな感想が寄せられている。
「数千年後の人類が発掘したら困惑しそう」
「こんなに漢委奴国王印って文字列でテンション上がったの初めて」
「古代と現代の悪魔合体!!!!!wwwwww」