邪魔者扱いされ、執拗に煽られる「長距離トラックドライバー」の日常 ある日、休憩でPAに立ち寄ると...
シリーズ読者投稿~あの日であった「私のヒーロー」~ 投稿者:Tさん(住所不明・40代男性)
長距離トラックのドライバーであるTさん(46歳・男性)は、高速道路を運転している時に他の車から煽られたり、幅寄せされたりすることに辟易していたという。
新型コロナ対策のための行動制限もなくなって交通量も増え、9月の連休前には苛立ちを感じていた。そんな時、パーキングエリアで幼い男の子が母親の制止を振り切り、Tさんに近付いてきた。
<Tさんの体験談>
新型コロナによる行動制限がなくなってから、長距離ドライバーである私は連休前に高速道路の交通量が増えることに非常に悩まされています。
私が乗っているトラックは抑制機能付きで時速90キロまでしか出せません。追い越し車線に車線変更すれば邪魔者扱いされ、執拗に煽られますし、走行車線に戻れば幅寄せされます。
9月の連休前も、そんな状況に困りながらも仕事をしていました。
母親の制止を振り切った男の子が...
トラックドライバーが連続して運転できるのは4時間まで、時間が経過したら30分の休憩をとらなくてはなりません。あの男の子と出会ったのは、その休憩中のことです。
食事のためにパーキングエリアに立ち寄ったのですが、その日は休日で食堂は家族連れで満席でした。
仕方なくコンビニでラーメンとお弁当を購入してトラックに戻っていたら、私の孫くらいの年齢の男の子が、トコトコッと私に近寄ってくるのです。母親が必死に止めていますが、男の子はそれでも私に話しかけてきました。
「重たい荷物を遠くまで運んでくれてありがとう。僕も大きくなったら乗りたい」
私はそれを聞いて、連休前にイライラしながら運転していた自分が恥ずかしくなりました。
トラックドライバーは夜中も走り、出発すれば3日間は帰れないため家族ともなかなか会えません。学歴もいらないこの職業のことを、私は「底辺の仕事」だと考えていました。
でも、男の子の言葉を聞いて「子供たちのためにも、荷物を届けたい」と思えたのです。
「ドライバーを続けていて良かった」
私がいま運んでいるのはきっとこの子達のための荷物ではないけど、ドライバーを続けていて良かった、と思いました。
繰り返しになりますが、大型トラックには速度抑制装置の装備が義務付けられていて、時速90キロまでしか出せません。
その車で、大切なお子様のための荷物を運んでいます。運転される皆様、どうか温かい目で見てください。
最後に、あの時のお子様へ。
本当にドライバーしていて良かったよ。
いつか一緒に走ろうね☺️
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