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憧れの「猫によるハラスメント」を味わえます 猫好きの、猫好きによる、「猫のためのコワーキングスペース」爆誕

松葉 純一

松葉 純一

2022.11.05 17:00
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ネコハラ――「猫が仕事などを邪魔してきて、作業がままならない」という困った......そして、愛おしすぎる事態である。

2022年10月、猫を飼っている人たちによってほぼ独占されていたこの体験が、多くの人に開かれた。

「ネコハラを体験できるコワーキングスペース、coworking space necoharaをオープンしました」

28日、こんなつぶやきをツイッター上に投稿したのは、ツイッターユーザーの農業姉妹(@tfy0411)さん。

コワーキングスペースと言うと、仕事をするための場所である。そこでネコハラとは、一体どういうことなのか?

こ、これぞネコハラ!書けません......!(農業姉妹(@tfy0411)さんのツイートより)
こ、これぞネコハラ!書けません......!(農業姉妹(@tfy0411)さんのツイートより)

Jタウンネット記者は投稿者の「農業姉妹 」さんに、「ネコハラを体験できるコワーキングスペース」という場所をなぜ作ったのか聞いてみた。

ネットに接続した人、ほとんどいない

ああ~っ!乗られてる~っ!(農業姉妹さんのツイートより)
ああ~っ!乗られてる~っ!(農業姉妹さんのツイートより)
「猫カフェでなく、コワーキングスペースにした理由はいくつかありますが、ベースにあるのは、人のための施設ではなく、猫のための施設にしたいという考えです」

「coworking space necohara」設立の目的について、投稿者「農業姉妹」さんはそう語る。

necoharaにいる猫たちはすべて保護猫で、これから里親を探す段階にあるという。そのため人と触れ合い人に慣れる必要があるが、「触れ合いが原因で人を嫌いになること」は避けたい。猫たちは大声を出す人や乱雑な動きを嫌う傾向があるため、「コワーキングスペース」という建付けにすることで、そのような行動が起こりにくくすることを狙っている。

また、「ネコハラを体験できる」というコンセプトも、猫たちのために設定された。

「『ネコハラ』を好む人たちは、基本的に猫好きの中でも特異なくらいの猫好きで、『人は猫様の下僕である』と言う人もいるくらい猫を尊重してくれます。そんなお客様に来ていただくことで、猫たちも嫌な思いをすることなく人と触れ合うことができると考えました」(「農業姉妹 」さん)

「猫カフェ」でなく、「コワーキングスペース」にした理由、お分かりいただけただろうか。

手がキーボードにたどり着く前に、猫を撫でちゃう(農業姉妹さんのツイートより)
手がキーボードにたどり着く前に、猫を撫でちゃう(農業姉妹さんのツイートより)

necoharaは、今年の10月11日にオープンしたばかりだ。基本的に1日に1~2組ずつの客を受け入れているという。

「猫のための施設」にするため、内装は全体的に暗めのトーンで、猫も人も落ち着けるスタイルにした。

「一応、コワーキングスペースとして最低限機能できるようにフリーWi-Fiを設置しているのですが、パソコンを持ち込んだお客様も、猫が寄ってきたら猫を撫でることに終始してしまい、ネットに接続した人はまだほとんど見ていません」(「農業姉妹」さん)

照明も暗めにしているので、夜は作業しづらいかと思ったそうだが「今のところみなさん座ってゆっくりされているだけなので支障は無いようです」とのこと。ワークに活用されている形跡は今のところ見られないそうだ。

PCなどでの作業だけでなく打ち合わせに使えるようなソファ席も用意した。しかしそれも「既に猫たちの爪とぎによってぼろぼろです。これもネコハラならではと思っていただけたら...」。

ネコハラを体験したい人たちにとって、魅力的な設備であることは間違いない。

「ありがとうございます!!!!楽園だ!」

農業姉妹さんがnecoharaを紹介したツイートには、11月3日時点で6万5000件を超える「いいね」が付けられるなど注目を集め、ツイッター上ではこんな声も寄せられている。

「ネコハラをしていただけるコワーキングスペースですと!?......なんてサービスの良い施設なんだっ!!」
「ノーパソの上に乗っかったりしてくれるんですか?」
「あーーーーー!いけません猫様いけません!書類の上で寝られては困ります!いけません猫様いけません!キーボードの上を歩かれては困ります!(ニッコリ)」
「ありがとうございます!!!!楽園だ!」

ネコハラを受けたくてたまらないと願っていたのであろう人々から、歓喜の叫びがほとばしっているかのようだ。

現在スペースを利用している人も当然、猫好きばかり。自宅では飼えないから、という人はもちろんのこと、自宅に猫がいるのに毎晩訪れる人も。

猫たちが寄ってきている(農業姉妹さんのツイートより)
猫たちが寄ってきている(農業姉妹さんのツイートより)

ところで、ネコハラを体験できるコワーキングスペース「coworking space necohara」があるのは、鹿児島・薩摩半島の南端に位置する指宿市である。マンゴー農園併設のカフェ「はちわれ農園」が、保護猫活動の取り組みの一環として今年5月にクラウドファンディングを行い、誕生した。

テーブル上でくつろぐ猫も(農業姉妹さんのツイートより)
テーブル上でくつろぐ猫も(農業姉妹さんのツイートより)

「農業姉妹」さんは、投稿がツイッターで話題になったことにより「施設の存在だけでなく、その在り方や主旨まで多くの方に認知してもらえたことはとてもありがたいことだと思います」とコメント。

来年のゴールデンウィークに、家族でネコハラを受けたいので予約をしたいというメールも来たという。

どうしてもネコハラ受けたい人は、鹿児島へどうぞ。一応、「コワーキングスペース」なので、仕事もできる......かも(笑)。

ただし、「ハラ」は人間が受けるだけ。猫たちが嫌がることは、しないように!

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