絶対に邪魔なのに、なぜ退かさない? 道のド真ん中ある「お地蔵さん」の怪→かつて動かしたら「村人たちに災いが...」
道の真ん中に障害物があったら、多くの人は「邪魔だから退かしてほしい」と考えるだろう。
しかし、邪魔なのにその場所に存在し続けているというのには、きっと何らかの理由があるのだ。
たとえば、今からご紹介するお地蔵様は、一度場所を移されたにもかかわらず、その「理由」のために、再び道の真ん中に戻ってきた。
こちらはツイッターユーザーのえぬびい(@enuenuenubi)さんが2022年9月24日に投稿した写真。ど真ん中にあるお地蔵さんが鎮座するこの道路は、栃木県真岡市内にあるという。
あまり広くなさそうに見えるし、こんなところにお地蔵さんがあったら、車が通行する時にかなり邪魔になりそうだ。
なぜ、ど真ん中にあるのだろうか。Jタウンネット記者は真岡市役所に聞いた。
移設すると、村人たちに不幸が
取材に応じた産業部商工観光課観光係の職員は、回答として2009年に真岡市に編入された旧・二宮町の歴史を記した「二宮町史 通史編2 近世」に掲載されている、地蔵信仰のページを送ってくれた。
それによると、道路のど真ん中にあるお地蔵さんは「古山の地蔵」と呼ばれていて、1847年に薬王院という寺の参道に建てられた。
その後、明治維新期に薬王院が廃寺になり、参道は道路となったので、お地蔵さんは道路脇に移設。すると、村人たちに災いが降りかかった。それも一度ではなく、立て続けに......。
そこでお地蔵さんは、道路のど真ん中に戻されることになったのだという。「災い」の詳細までは分からなかったが、お地蔵さんを設置しなおすくらいだから、当時の村人たちはかなり怖い目を見たのだろう。
この地では、地蔵の縁日である毎年7月24日には地蔵祭が行われるなど、今でも地域の人に大切にされているようだ。
もし古山の地蔵の横を通り過ぎるときは最徐行で、くれぐれも事故などを起こさないようにしたい。