「めっちゃ危なかったですよ!」 車道に飛び出した息子に、派手な女性が怒り心頭→知的障害だと伝えると...
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Iさん(大阪府・40代女性)
重度の知的障害のあるIさんの息子がある日、家から出て行ってしまった。
彼は勢いよく走り去り、Iさんが追いつく前に車道へ飛び出した。まさにその瞬間、車がその場所をに走ってきて......。
<Iさんの体験談>
私には重度の知的障害のある中学一年生の息子がいます。時々家から飛び出すことがあるので、私は常に息子の様子を確認しながら用事をしています。
ですが数年前、家事をしていて少し目を離した隙に息子が家を飛び出してしまったのです。
自宅は8階、急いで追いかけましたが息子はあっという間に階段を下りていき、見失ってしまい......。
嫌な予感がした私が道路の方へ行くと、ちょうど息子が道路へ飛び出し、走ってきた車が急ブレーキを踏んで止まってくれているところでした。危機一髪でした。
「めっちゃ危なかったですよ!」
しかし息子は「危険」という認知ができないので、そのまま走って何処かへ行ってしまいます。
私が必死で息子を追いかけようとした時、派手な女性が車から降りてきて、
「めっちゃ危なかったですよ!」
と怒られました。しかし、詳しく説明する暇がなかった私は「すみません!障害があるんです!」と伝え息子を追いかけようとしました。
それを聞いて、車からもう1人女性が降りてきて、私にこう尋ねてきました。
「お母さん子どもさんの名前は?」
「○○です」と息子の名前を伝えると、彼女たちは「手分けして探そう」と言ってくださったのです。
「お母さん、大変やと思うけど...」
その日はすごく暑い夏の日で、おふたりは、どこかに出掛ける途中だったのではないかと思うような綺麗な服装でした。
それにも関わらず、汗だくになりながら息子の名前を叫び、一緒に探してくださったのです。
おかげで、その後息子を無事に保護することができました。
「お母さん、大変やと思うけど頑張って!」
お礼を言う私に、おふたりは暖かい言葉をかけてくださり、そのまま去っていかれました。私は感謝と同時にこんなに優しい人たちがいるんだと感激で泣きそうになり、それ以上は言葉も出ず、ただただ頭を下げる事しかできませんでした。
全く見ず知らずの私たち親子を助けてくださった二人の女性の事を思い出すと、今でも嬉しくて涙が溢れます。息子もおかげさまで元気にすごしています。
あの日車で通られたおふたりにもう一度伝えたいです。あの時は本当にありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
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