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うち50 ヘルツだけど、お隣さん60 ヘルツ? 2種類の電気が「混在」する村が存在した

松葉 純一

松葉 純一

2022.10.20 08:00
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周波数混合地域ならではの注意点も

取材に応じたのは、中部電力パワーグリッド長野支社広報担当者だった。

「家庭用の電気は、交流といって電気の流れる方向が1秒間に何十回も変化しています。この流れの変わる回数を周波数(Hz:ヘルツ)といいます。日本は静岡県の富士川と新潟県の糸魚川あたりを境にして、東側は50ヘルツ、西側は60ヘルツの電気が送られています」

なぜ東西で周波数の違いが生まれたのかと言うと、明治時代に輸入された発電機の違いによる。関東ではドイツから50ヘルツのもの、関西ではアメリカから60ヘルツのものを取り入れて各地域の電力事業は発達してきた。全国で統一することは難しく、現在も当時の流れをくむ形で、2つの周波数が存在しているのだ。

そして周波数の境界周辺の地域では、長野県栄村のように一部地域で50ヘルツの電気が供給されている場合がある。

担当者によると、ここにある50ヘルツの電柱も60ヘルツの電柱も中部電力の管轄。60ヘルツの電力は中部電力内で作られているもので、50ヘルツの電気は、東北電力からの融通を受けているものだという。周波数混合地域には、その土地ならではの歴史や文化、経済などの諸事情が影響ありそうだ。

なお、栄村以外では、飯山市、小谷村、佐久市の一部にも、周波数混合地域が存在する。

「dydt」(@dydt_Nao)さんのツイートより
「dydt」(@dydt_Nao)さんのツイートより

dydtさんの投稿のように50ヘルツの電柱と60ヘルツの電柱が近くにある場合は、保守点検にも気を使う必要がある。

なぜなら見た目は同じようでも、設備が全く異なるからだ。接続しないように注意を払っていると担当者は語る。

また、周波数混合地域に移住してくる人に向けては、使用する電気製品が自分の使う周波数に対応しているか確認するように促しているとのことだ。

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