「臨月間近、雨の日に乗ったバスは満席。立ったままでいると、後方席の女性客が『こんな足元の滑る日に...』」(都道府県不明・女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Jさん
3年前の雨の日。臨月を間近に控えていたJさんは出張のため、バスに乗った。
席は空いていなかったが、目的地までは大した距離ではない。立ったままで乗っていよう――そう思っていた彼女に、後方の席に座っていた女性が声をかけてきた。
![雨の日のバス車内で...(画像はイメージ)](https://cdn.j-town.net/thumbnail/2022/09/town20220920120615_large.jpg)
<Jさんの体験談>
3年前のことです。当時臨月間近ながらまだ仕事を続けていた私は、大雨の日にバスで出張先に向かおうとしていました。
乗り込んだバスは満席でしたが、そんなに長い距離ではないので立っていて構わないと思っていました。
あなたが転んだら赤ちゃんは...
しかし、後ろの方の席にいた女性がスッと立ち上がって私の方に歩いてきて
「妊婦さん、座って」
と席を譲ってくれたのです。私は「すぐなので」と遠慮しましたが、
「あなたが転んだら赤ちゃんはどうなるの。こんな足元の滑る日に妊婦さんを立たせておくなんて出来ないわ。赤ちゃんのためにちゃんと座って乗ってね」
と、女性ははっきりとした声で言って、私を席まで誘導してくれました。
![赤ちゃんのために座って、と...(画像はイメージ)](https://cdn.j-town.net/thumbnail/2022/09/town20220920120717_large.jpg)
言われるがままその席に座った私は、その方の優しさが心に沁みて思わず泣いてしまいました。
初めての妊娠中で、いっぱいいっぱいに...
あの時はとにかく涙が出てしまって、「すみません」しか言えませんでした。
ですが、その後無事に息子を出産することができ、バスに乗る度にあの方への感謝が甦ります。
![息子が生まれて...(画像はイメージ)](https://cdn.j-town.net/thumbnail/2022/09/town20220920120753_large.jpg)
初めての妊娠中にコロナ禍となり、不安な気持ちが日々高まる中、都会でそれまでと同じように仕事をしていた私は、知らぬ間にギリギリの気持ちになっていたように思います。
ですがあのとき、あの女性に「赤ちゃんのために」と優しくしてもらったことで、どれほど自分がいっぱいいっぱいだったか気付くことができました。
あれ以来、私が座っている時に妊婦さんを見かけたら、「赤ちゃんのために、ぜひ」と声をかけて席を譲るようにしています。
息子がもう少し大きくなったらあのときの女性の話を伝え、息子にも彼女のような優しくハンサムな心を持った人になってほしいと思います。
御礼を伝えたいけど伝えられないので、こちらにこの話を投稿させて頂きました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
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