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どう見てもダンジョンの入り口だ... 淡路島にある「お寺」のデザインが斬新すぎると話題に

大山 雄也

大山 雄也

2022.09.14 08:00
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「嘘みたいだけど、お寺の入り口です」

ツイッター上で、そんなつぶやきと共に投稿された写真が注目を集めている。

何が「嘘みたい」なのか。どんな「お寺の入り口」なのか。見ればきっと、読者の皆さんも驚くだろう。

お寺の入り口とは思えない(画像は紅村こがね@BenimuraKoganeさんのツイートより)
お寺の入り口とは思えない(画像は紅村こがね@BenimuraKoganeさんのツイートより)

池を割くように作られたコンクリートの壁が作られ、その間には下へと続く階段が。

ここは兵庫・淡路島にある真言宗の寺院「本福寺 水御堂」(淡路市)。まるで美術館のような雰囲気の場所だが、本当にお寺なのだ。

2022年9月11日、ツイッターユーザーの紅村こがね(@BenimuraKogane)さんが投稿したこの光景は、ツイッター上で反響を呼び、こんな感想が寄せられている。

「ダンジョンにしか見えないw」
「きっと重要なアイテムがある(確信)」
「良い趣味してる」

「世界に1つしかないものを建てよう」

「水御堂」を設計したのは、現代日本を代表する建築家のひとり、安藤忠雄氏。コンクリート打ち放しの建物が印象的な建築物を数多く手がけていて、水御堂の外壁や階段の壁にもその特徴が見て取れる。

一見お寺とは思えないこの建物は、どんな経緯で生まれたものなのだろう。Jタウンネット記者は9月13日、本福寺の住職を取材した。

水御堂の外壁(おぉたむすねィく探検隊さん撮影、Wikimedia Commonsから)
水御堂の外壁(おぉたむすねィく探検隊さん撮影、Wikimedia Commonsから)

住職によると、水御堂の誕生には大阪市の電機メーカー・三洋電機の創業者一族の存在が関わっているという。

同社の創業者である故・井植歳男氏は淡路市出身。実家が近かったことから本福寺が菩提寺となり、歳男氏が亡くなった後も寺と一族との関係が続いていたという。

そして、先代の住職が本福寺の本堂を建て替えるにあたり、頼ったのが歳男氏の長男・敏氏だった。

当時、三洋電機の社長を務めていた敏氏は、本福寺の建て替えに協力し、こんなことを言った。

「世界に1つしかないものを建てよう」

これが、敏氏が本福寺に安藤氏を紹介し、水御堂が生まれることになったいきさつだ。

当初は檀家から反対の声も

水御堂の入り口(おぉたむすねィく探検隊さん撮影、Wikimedia Commonsから)
水御堂の入り口(おぉたむすねィく探検隊さん撮影、Wikimedia Commonsから)

水御堂の周りは、コンクリートの壁に囲まれている。小高い丘をのぼり、壁に開いた穴を抜けた先には大きな池が。この池は実は屋根で、階段を降りると地下の本堂に辿りつく――水御堂が出来た1991年当時、安藤氏の斬新な設計を受け入れられない人もいたという。

「今でこそ建築家として知られる安藤さんですが、工事が始まった90年ごろは今ほど有名ではありませんでした。斬新な設計も受け入れられず、檀家さんたちからは反対の声もあがっていたそうです」(本福寺の住職)

しかし、檀家の反対を押し切って水御堂を作ったことに後悔はない。住職は語る。

「今となっては月に2000~3000人の人が訪れる有名な場所になりましたし、ありがたいことです。それに井植敏さんの『世界に1つしかないものを』という意向とも合致していますからね」

ちなみに、紅村こがねさんが投稿した写真は、22年2月に撮影されたもの。この時の池は静かな雰囲気だが、スイレンやハスが咲く季節には水上が華やかに彩られる。

「自然との共生」も安藤建築の醍醐味のひとつ。淡路島を訪れたら、ぜひ味わってみてほしい。

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