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どんなに厚かましく、世俗的な願いでも「全力で奔走」 奥吉野の不動明王が頼りになりすぎる

松葉 純一

松葉 純一

2022.08.16 08:00
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「喫茶ホラ!あな」店主も知らなかった

奥吉野の「不動明王」は、奈良県南部の吉野郡川上村にある不動窟鍾乳洞に鎮座しているという。

不動窟鍾乳洞は、修験道の開祖「役行者(えんのぎょうじゃ)」が1300年前に発見したと伝えられている鍾乳洞。全長は約140メートル、平均気温13度で、夏は涼しく、冬は暖かく感じるという。どこからきてどこに流れていくのか分からない「不動の滝」や岩屋など、自然の神秘を体験できるらしい。

不動明王はヒンドゥー教の「シバ神」の異名で、仏教では大日如来の化身とも言われている。日本仏教の諸派、修験道で信仰されているが、奥吉野の「不動明王」はとくに修験道との関わりが深そうだ。

不動窟鍾乳洞(写真は、川上村webサイトより)
不動窟鍾乳洞(写真は、川上村webサイトより)
「鍾乳洞は想像していたよりもずっと良かったです!
カフェが管理事務所を兼ねているので、オマケくらいのものかな~と考えていましたが、とても本格的です。深く狭い洞窟を潜っていった先に湧き水の滝を見たときには、外気との気温差もあって感動しました」

話題の写真の投稿者・カステラさんは不動窟鍾乳洞についてそう語る。

カステラさんがこの場所に足を運んだのは、8月10日16時頃。お気に入りの宿に滞在するために川上村に訪れ、立ち寄ったそう。そこでたまたま看板も目にした。

「鍾乳洞の入り口すぐ手前に不動明王が祀られており、看板はその隣にあります」(カステラさん)

では、あの「願い事のために全力で奔走してくれる不動明王」の看板はいつ頃作られたものか? 

Jタウンネット記者は、次に奈良県川上村役場水源地課に電話した。職員によると、不動窟鍾乳洞は国道169号線沿いにあり、地元の柏木地区の人が運営する「喫茶ホラ!あな」が管理している。

そこで記者が「喫茶ホラ!あな」に電話すると、店主が次のように答えてくれた。

「この店は、35年以上前にできたと聞いていますから、看板もその頃できたのではないでしょうか。あの説明文は当時の人が書いたものかもしれません。店の経営は、柏木地区の人に代々受け継がれており、自分は今年の4月に受け継いだばかりなので、昔のことはまったく分かりません」(「喫茶ホラ!あな」店主)

同店はジビエ料理(シカ、イノシシ肉を使ったハンバーグなど)がおすすめメニューで、夏場は阪神地区から涼みに来る家族連れが多いとのこと。大自然の中での渓流釣りを楽しみに来る人もいるそうだ。

不動窟鍾乳洞に、「あつかましい世俗的な願い事」をしに来る人は、あまりいなさそうだ。だからこそ、チャンスかもしれないが......?

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