「川に流されたサンダルを追いかけ、溺れてしまった幼い私。一緒にいた父親は、新しいカメラで撮影するばっかりで...」(福岡県・50代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Nさん(福岡県・50代女性)
まだ幼かったNさんはその日、家族で川に水遊びをしに行っていた。
しかし、遊んでるうちに川の深みにハマってしまい......。
<Nさんの体験談>
もう半世紀前の話しです。当時、私たち家族は東京の府中市に住んでいて、夏になると父が秋川渓谷へ連れて行って私たち子供三人に川遊びをさせてくれました。
その日は父が買った8ミリの撮影機のお披露目もあって、父はずっと私たちの様子を撮影していたんです。
サンダルが流されて......
私は私で、欲しかったアメリカ国旗デザインのビーチサンダルをやっと買ってもらったのが嬉しくて大はしゃぎ。底が石だったのでサンダルを履いたまま川へ入っていました。
しかし、あるタイミングでスルッと脱げて流れて行ってしまったのです。
「これは大変、せっかく買ってもらったのに!」と私はそのサンダルを追いかけます。そして、ある程度追いかけたところで深みに入ってしまい、溺れてしまいました。
私は幼いながらの知恵で、川底に足がついたら蹴り上げて水面から顔を上げ息を吸って、を何度か繰り返していました。
その際、父がこちらにカメラを向けていた姿がほんの一瞬見えたのを覚えています。後から聞いた話では、私が溺れているのに全く気が付いていなかったそうです。
そんなわけで、私はしばらく川の中で1人格闘。しかしある瞬間、ふっと水面上に出ることが出来ました。
ショック状態でお礼も言えず...
私のビーチサンダルと共に、ボーイスカウトの大将が助けてくださったのです。この時、父が初めて事態に気がついたようで、急いでこちらへ駆け寄ってきました。
もちろん両親は深々とお礼を申し上げておりましたが、私は軽いショック状態でお礼を言うことができていなかったのではと思います。
あの時はありがとうございました、とあの大将へ言いたいです。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)