「田舎の離島から私に会いに来た両親。駅の人混みで母とはぐれた父が数日後、変わり果てた姿で帰ってきて...」
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Nさん
田舎から出てきた父が、自分に会いに来るまでの間に行方不明になってしまった。
近辺をいくら探しても、警察に届けても、見つからない。
しかし3日後、父は突然現れた。ボロボロの姿で......。
<Nさんの体験談>
30年以上も前、私は20代を愛知で過ごしていました。田舎は奄美のとある島で、両親が遊びに来たことがあります。
私が仕事をしている日中に、両親は電車で移動することに。
普段、電車はおろか、人混みにもほとんど慣れていない二人。慎重な母は色々と確認しつつ最寄り駅に着いたのですが、どのタイミングではぐれてしまったのか、父がいなくなってしまったのです。
沿線をくまなく探すも見つからず...
もともと父は、全てにおいて無頓着。生活する上ではほぼ全て母に頼りっぱなしなのに、やたらせっかちなんです。
慎重派の母とは正反対で、しかも方向音痴でした。
母から事情を聞いた私は仕事を早退し、夕方からは私の友達も加わって、線路の沿線、降りたかもしれない駅をくまなく探しましたが見つかりません。
警察に届け出を出すも事態は変わらず......そんな状態が続いた3日目の早朝のことです。
突如として父親は帰って来ました。
なぜか、ボロボロの状態で。
見ず知らずの人にお金を借りて...
聞くと、見ず知らずの方に小銭を借りたり、ダンプカーの運転席を借りたりして、夜を過ごしたという話でした。
夏場だったおかげで、夜も何とかしのげたようです。
数年後、お金を借りた方にお礼をしたい、と思い父親を伴って彷徨ったと思われるところを探したのですが、辿り着けませんでした。
もし、お心当たりのある方がいらっしゃれば、この場を借りてお礼を述べさせてください。
あのときは、ありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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