「兄と祖父とゲーセンで遊んでいたのに、気付けばひとり。泣きながら2人を探していると、地元の中学生が...」(大阪府・10代)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Iさん(大阪府・10代)
大阪府在住の読者・Iさんが小学生になる前の話である。その日Iさんは、祖父と兄とともにスーパーに併設されているゲームセンターを訪れた。
そこであるゲーム機に夢中になってしまったIさんは、「そろそろ帰ろう」という祖父と兄の言葉を聞き流してしまったという。
<Iさんの体験談>
まだ小学生にもなっていない頃、近所のスーパーの2階に併設されたゲームセンターに、私と兄と祖父の3人で行ったことがあります。
そこで遊び始めてしばらく経ってからのことです。祖父と兄から「そろそろ帰ろう」と言われたのに、私は1つのゲーム機に夢中で、その言葉を聞き流してしまいました。
そして気が付けば、周りには誰も居なくて私1人になっていたのです。
泣きながらゲームセンターを出ると...
慌ててゲームセンター内を探しましたが、祖父と兄はいません。
私は「言うことを聞かないから置いていかれたんだ」と思い、ゲームセンターから出て、泣きながら階段を降りていました。
階段も中程に差し掛かった時です。近所の市立中学の制服を着た女の子2人が、
「どうしたん? なんで泣いてるん? 大丈夫?」
と、優しく声をかけてくれました。
しかし私は、知らない人に声をかけられた恐怖と兄や祖父がいない不安で固まって泣き続けるばかり。
それでも2人は私に目線を合わせて、「大丈夫やで。どうしたん? 何かあったん?」と、声をかけ続けてくれました。
私の歩幅に合わせて...
私は泣きながら「ゲームセンターに居ったら、おじいちゃんとお兄ちゃんがおらんくなった」と必死で彼女たちに伝えました。
すると彼女たちは「そっか。じゃあ、一緒に迷子センターに行こっか。歩ける?」と言って、私の歩幅に合わせてゆっくりと歩いてくれたのを覚えています。
2人は迷子センターに行く途中にも「名前言える?」「今何歳なん?」と話しかけてくれました。
迷子センターに着いて、私の迷子アナウンスが流れると、2人は「もう大丈夫やと思うから、帰るな」と言いました。「うん」と答えることしかできませんでしたが、2人は途中で振り返って手を振ってくれたような気がします。
その後、私はまさにスーパーから出るところだった兄と祖父に会うことができました。
今となってはもう2人の顔も覚えていない10年以上前のことですが、2人にとても感謝しています。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、エピソードを体験した時期・場所、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談の一部を改変している場合があります。あらかじめご了承ください)