これが「プロの仕業」ってヤツか...! 3歳娘が彫刻家の父に「色鉛筆を削っておいて」と頼んだ結果
「まさか娘へのイタズラがこれほど反響があるとは思っておりませんでした」
2022年4月5日、Jタウンネット記者の質問にそう明かしたのは京都市南区の工房で仏像、仏具・木彫刻作品の制作を行う仏師の宮本我休さん。今回ご紹介するある「作品」の作者だ。
一見すると、何の変哲もない色鉛筆。3歳になる宮本さんの娘さんが保育園に持っていくために用意されたものだ。
記名するために一部を削ってほしいといわれ、彫刻刀で塗装を剥がしたという。
だが、そこは仏師。
彫刻刀を持ったら、ある衝動に駆られてしまったようで......。
ひっくり返してみたら...
3日に投稿された宮本さんのツイートには、ごく普通の色鉛筆がひっくり返してみるとまさかの姿に「変身」する動画が添えられている。
なんと、出現したのはお地蔵さん。
予想の斜め上を行く登場に思わず度肝を抜かれてしまいそう。何かを悟ったかのような笑みをたたえており、もはや色鉛筆とは思えないほど尊い......。
あまりの尊さからか、ツイートは大反響だ。「いいね」の数だけでも、13日夜時点で26万5000件を超え、こんな声も寄せられている。
「功徳アリ!!」
「遊び心あってめっちゃかわいい笑」
「名前書かなくても誰のか分かりますね」
「ありがたすぎて使えなくなっちゃう」
「これは娘さん保育園で大人気w」
「これかみたま??」
「ちょうど4年前に長男に同じことをして喜んでもらえたので、今回娘には違う種類の仏様をと考え、子供の守り仏であるお地蔵様を選びました」(宮本さん)
制作経緯を聞いた記者の質問に、そう茶目っ気たっぷりに明かす宮本さん。ある朝、朝食を終えた娘さんに色鉛筆を見てみるように宮本さんが促すとそこには仏が......。思いもしない邂逅に娘さんも、
「これかみたま(神様)??」
と、聞いてきた後、大爆笑していたという。サプライズ成功というわけだ。
「こだわったことはやはりニッコリとさせること。我が家は笑いが絶えない家族ですので、満面の笑顔で彫るように心がけました。あとは赤のよだれかけですね」(宮本さん)
宮本さんによれば、仏像は儀軌(ぎき)という決まりごとの上で成り立っているため、普段から古いものを研究しながら日々の制作を行っているという。だが、子どもの像(わらべ仏)などは我が子をモデルに制作することも多いそうで、子供の純粋無垢さ、にじみ出る可愛らしさを表現すべく研鑽を積んできた。
「混沌とした世の中ですが、人に癒やしを与えれるようなそんなお像を作れるようにと日々励んでいます」(宮本さん)
見れば見るほど、不思議と心が鎮まるかのような感覚を覚える今回の作品。宮本さんのツイッターでは他の作品も紹介されているので、気になる人はぜひ覗いてみてほしい。