そんな宣伝文句ある...? 泡盛に貼られたPOPが明け透けすぎて、逆に気になる
「ポップがやけくそすぎる」
こんなコメントと共に投稿された写真が、ツイッター上で注目を集めている。一体、どこが「やけくそ」なんだろうか。気になる実物の写真がこちらだ。
こちらは、埼玉県在住のツイッターユーザー・くつの(@AlphaWhiskey_11)さんが2022年4月21日に投稿した写真だ。
棚に並ぶ数種類の泡盛。そのうちのひとつに、黒い文字で「ヤケ酒にいい」とだけ書かれた黄色いPOPが貼り付けてある。
直球というか何というか......色々な意味で「やけくそ」だ。しかし、どんなお酒なのか逆に気になってくるのも確か。
宣伝文句としてはある意味有効かもしれないPOPに、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。
「むちゃくちゃすぎるw」
「とてもわかり易くて超気になる」
「直球だけど手に取る人はいそうw」
「度数が高い割りに飲みやすい、とかかな」
やけくそではあるが、実際にどんなお酒なのか興味が湧いたという人もいるようだ。
で、なんでこんなPOPなの?
Jタウンネット記者がくつのさんに話をきいたところ、撮影したのは22日のお昼ごろ。場所は有楽町にある沖縄物産展「銀座わしたショップ本店」だ。
「何度か訪れた店ではあったのですが、地下に泡盛売場があることに初めて気付き覗いてみたところ、発見しました。
たった一言のインパクトが強烈でした。これを書いた人はお酒が好きなんだろうなと思いました」(くつのさん)
自宅に泡盛のストックがあったため、くつのさんはその時は実際に購入なかったそうだが、「次の1本として購入したいと思っています」と語る。
それにしても、どうしてこんな「やけくそ」なPOPにしたのだろうか。記者は同店の泡盛売場担当者である藤原直樹さんに話を聞いた。
藤原さんによると、POPが貼ってあるのは沖縄県の伊是名島にある酒造メーカー・伊是名酒造所が製造している「マイルドいぜな島」という泡盛。アルコール度数は20度と泡盛の中では低い方で、初心者にも飲みやすいお酒だという。
POPを作ったのは10年以上前のこと。ただ商品を並べて売るだけでは面白くないと考えた藤原さんが、店を訪れたお客さんの声を参考に制作したものだそうだ。
「『マイルドいぜな島』を手に取って、『これ、ヤケ酒にいいんだよ』といった事をおっしゃったお客さんがいて、それを参考にしました。
売り場には他にもPOPがありますが、実際にお客さんがその商品を手に取ったり見たりしながら言ったコメントや率直な感想を取り入れて作ることが多いですね」(藤原さん)
リアルな声を参考にすることで、より「お客さん目線」に立ったPOPが作れる、と藤原さん。たしかに「ヤケ酒にいい」なんて売り文句は、売り手側からは出てこない発想かもしれない。
「ヤケ酒」を求めていた読者の皆さんは、試しに1杯飲んでみては?