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いつでもどこでも「回せます」 ノスタルジーに駆られちゃう「蛇口のハンドルをひねれる指輪」が大人気

中沢 新

中沢 新

2022.04.18 08:00
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「実際にひねって回せます」

2022年3月24日、そんなコメントと共にある「指輪」の写真がツイッターに投稿され、大注目を集めた。

以下画像は池田 亮(@yyyry_ikeda)さんのツイートより
以下画像は池田 亮(@yyyry_ikeda)さんのツイートより

2本の指にはめられた指輪。同じような飾りが真ん中についているが、片方は赤、もう片方は青い輪がデザインされている。

これは......昔ながらの銭湯なんかにありそうな水栓!ひねったら指からお湯とか水が出てきそうだぞ......!

レトロな見た目にどことなくノスタルジーに駆られてしまう「混合水栓のクリスタルハンドル」の指輪には、4月3日昼時点で24万2000件を超える「いいね」が付くほどの大反響で、こんな声も寄せられている。

「今ではおばあちゃん家ぐらいにしかないやつ」
「我が家のお風呂場の水道クリスタルハンドです(笑)」
「こういうガチャガチャあったら回しちゃうw」
「これは可愛いリングでございますね」
「指先から放水しそう」

それにしても、一体なぜ指輪に水栓??Jタウンネット記者は作者に制作の経緯を聞いた。

「そうだ、指輪にすればずっと回せるな」

「元々クリスタルなハンドルが好きでした。特別感というか、キラキラ光るものを掴んで回す感じや中に入っている金具の反射による光り具合とか。あと混合水栓の温度は自分で回して調整しなければならないから毎回手こずった体験がより記憶に残っているところとか...」

3月27日、記者の質問にそう明かす作者の池田 亮(@yyyry_ikeda)さん。脚本家・演出家・造形作家として、幅広く活躍しているプロのクリエイターだ。

ツイッター上でクリスタルハンドルの画像を見かけたり、実家や区役所のトイレで眺めたりするたびに、「ずっと回していたいなー」と考えていたという。3月に入って「そうだ、指輪にすればずっと回せるな」と思うようになり、制作に至った。

制作期間は着手してから2週間ほど。脚本業の合間を縫いながら作業を進め、とりあえず形を作っていきながら、素材を組み合わせたり探したりと試行錯誤を重ねた。

こだわりポイントは、ハンドルを回せるようにするところと、クリスタル部分から透けて見える金具にリアリティを出すところ。実物を何回も見て研究を重ね、ホームセンターやネットで必要な材料を吟味し、何回かの実験を経て完成した。

「苦労したのはハンドルの造形と、中の金具を回せるようにしつつ水栓っぽさを再現するところです。あと作業中は花粉症が酷くて体から出てくるものに栓をしたいと常々思っていました」(池田さん)

「自分の好きなものしか売っていないお店を想像する」

今回の作品がSNSで話題になったことについては「驚きまくっております」。予想外の反響に驚きつつも喜んでいるとしたうえで、

「舞台や映像や脚本の仕事など自分の作るもの全部に思うことですが、周囲のリアクションが薄かろうと『自分が欲しかったものを作れたからOK!』と正直悔しいけど納得していたのですが、今回ばかりは予想を超えてこんなに反響が来るだなんて......作り続けてよかったなと思ってます」

と、作品を生み出し続けるうえでの苦労を滲ませた。

造形以外にも過去には人気アニメ『ウマ娘 プリティーダービー』の脚本を担当し、5月28日からは所属する団体「ゆうめい」のツアー公演(池田さんは作・演出・出演)なども予定し、八面六臂の活躍を続ける池田さん。

さまざまな活動には、「混合水栓のクリスタルハンドル」を見事に再現したような「こだわり」が詰まっているのかもしれない。

なお、クリスタルハンドルの指輪は池田さんのハンドメイド作品を扱うショップ「トイフクロ」で販売も行われていたが、現在は品切れ状態。再入荷については生産の目途が立ち次第、池田さんのツイッターアカウントなどで告知される予定だ。

また、カプセルトイ化も進行中とのこと。指にクリスタルハンドルを付けることが流行するのも、時間の問題か......?

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