「事故に遭い入院した私を、毎日励ましてくれた同室の患者。カーテン越しで顔を知らなかったせいで...」(岩手県・50代男性)
みなさんにも「謝りたい人」はいるだろうか。
岩手在住のJタウンネット読者・Dさん(50代男性)の場合、それは約15年前に入院していた病院で出会ったおじいさんだ。
同じ病室で、隣のベッド。おじいさんはカーテン越しにDさんを勇気づけてくれていたのだが......。
<Dさんの体験談>
15年くらい前、自動車事故に遭って、3か月間入院していた時の話です。
ある日、隣のベッドから声が聞こえてきました。
「大丈夫ですか」
菓子折りを持った知らない男が病室に
それは、弱々しい高齢男性のような声でした。
どうやら私は痛みと将来の不安でうなされていたみたいで、それを心配してくれたようです。
これをきっかけに、隣のベッドの男性と話をするようになりました。その方も骨折で入院しており、互いにベッドから起き上がれません。カーテン越しの天井を見ながら会話をし、落ち込む私を男性は毎日励まし勇気づけてくれました。
その後、私は病室を移動することになったのですが、その部屋を誰かがノックしました。
「Dさんですか」
名前を呼ばれ振り向く、小柄な男性が菓子折りを持って立っています。
「はい、Dですけど。どちら様ですか」。会ったこともない人だったので、私はそう答えました。少しきつめの態度だったと覚えています。
するとその男性は少し間を置いて「すみません。間違えました」と言い残して帰っていきました。
せっかく病室に来てくれたのに......
この男性の正体がわかったのは、後のことでした。カーテン越しの隣のベッドに入院していた人で間違いない、と妻が言うのです。
本来であれば、感謝の気持ちを伝えなければならないはずなのに、私は無下に追い返してしまいました。
出来ることなら、その男性にお会いして、私の非礼へのお詫び、感謝の気持ちを伝えたいという気持ちでいっぱいです。
退院した桜の時期になると毎年このことを思い出します。
誰かに伝えたい、あのときは「ごめんなさい」、ありませんか?
身近な家族や友達はもちろん、今はもう会うことのない疎遠になった知人、偶然出くわした見知らぬ人......そんな相手との、心の「しこり」のような思い出が誰にも1つや2つはあるものだ。
そこでJタウンネットでは、読者の皆様の「今さらかもしれないけれど謝りたいこと」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、エピソードを体験した時期・場所、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談の一部を改変している場合があります。あらかじめご了承ください)