「ホームと車両の隙間が怖くて、駅で動けなくなった小学生の私。乗れずに泣いていると、後ろから...」(都道府県・年齢性別不明)
大人にとっては大したことがなくても、子供にとっては怖いものというのは意外に多い。
たとえば、駅のホームと車両の隙間。多少広く空いていても、大人であれば簡単に跨げてしまう。
しかし体が小さく、歩幅の狭い子供からすれば実際よりもいっそう広く感じてしまうかもしれない。
「すっぽり自分が入ってしまうのでは?と思うくらいの暗闇でした」
Jタウンネット読者のKさんは、小学一年生時代を振り返る。
母と妹と共に離れて暮らす祖母の元へと新幹線で向かう際、列車とホームの間の隙間が恐ろしくて一歩も動けなくなってしまったことがあるのだという。
幼い妹と荷物を抱えて困り果てる母をよそに泣き出してしまったKさん。そんなとき、後ろに並んでいた女性が声をかけてきた。
「落ちたら電車にひかれてしまうの?」
もう35年前の話です。
当時、小学1年生だった私は、母と2歳下の妹と共に、祖母のところに行くことになりました。
祖母は遠方に住んでいたので、新幹線で向かう予定でした。
私は物心ついて初めて行く旅行のようなものに浮かれ、よそ行きの靴を履いて母と妹と向かったのですが......いざ新幹線に乗車、というときに問題が起きました。
ホームと車体の間が大きく、私が怖くて足を踏み出せなくなってしまったのです。
駅の構造的にカーブがあったので、そのせいだと思います。
今思えば大した隙間ではありません。
でも、小学校1年生にはとても大きく見えて、すっぽり自分が入ってしまうのでは?と思うくらいの暗闇でした。
「私、落ちたら電車にひかれてしまうの?こんなに狭いところに落ちたら誰も助けてくれない」
そう思うと一歩も踏み出せなくなりました。
泣く私に声をかけてきたのは...
下を向いて、隙間をずっと見ていました。
その時にじっと見ていたよそ行きの靴のつま先を今も覚えています。
しかし、母は幼い妹と荷物を抱えていたので、私に構っている余裕はありません。
母から見れば1年生でも十分跨げる小さな小さな隙間だったのだと思います。
隙間が大きくて怖い、跨げない、と泣く私に
「大丈夫だから!早く乗って!」
と急かしました。
それでも足がすくんで泣くしかできなかった私に、後ろに並んでいた若い女性が声をかけてきました。
「おねえちゃんと一緒に乗ろう」
そう言って、私の手を握って一緒に乗ってくれたのです。
今の私はもう、当時のお姉さんの2倍ぐらいの年齢だと思います。
お姉さんも6~70代になっているでしょうか。
それでも、今でもあの笑顔を忘れられないですし、自分が同じ立場でもお姉さんほど親切に出来るかわかりません。
きっと育児でいっぱいいっぱいの母の気持ちも救ってくれたはずです。
あのときはありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、エピソードを体験した時期・場所、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。