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「『一番前の席が良い』とバスでぐずる幼い息子。他の乗客が居なくなったので座らせると、運転手が...」(兵庫県40代女性)

大山 雄也

大山 雄也

2022.02.16 11:00
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電車、飛行機、車――読者の周囲にも、「のりもの」好きな子供は多いかもしれない。

Jタウンネットに投稿を寄せてくれた兵庫県の読者・Aさん(仮名、40代女性) の長男も2~3歳の頃、バスが大好きだった。

お気に入りの席は、もちろん「一番前」(画像はイメージです)
お気に入りの席は、もちろん「一番前」(画像はイメージです)

今回は、そんなAさんたち家族に起こったハートフルな出来事を紹介したい。

ある日、Aさんは長男と次男を連れて百貨店にでかけ、その帰りにバスを利用した。

すると長男は疲れと眠気からクズりはじめ、1番前の席に座りたいとわがままを言い出したのだ。

けれど、その席にはもう他の人が座っていて......。

子供二人を連れて、疲れが限界に

長男がまだ2~3歳だった頃の話です。

その日、私は長男と生まれてまだ数か月の次男を連れて、久しぶりに百貨店を訪れました。

なんとか用事を済ませ、乗り継いだ電車から自宅へ向かう阪神バスに乗り込んだとき、私はもうクタクタ。幼子を2人連れてウロウロした疲れがピークに達していたのです。

疲れていたのは長男も同じで、眠たさと疲労でグズり始め、「1番前の席に座りたい」とわがまままで言い出す始末。その席の方に聞こえては失礼だと思った私は後ろの方に移動し、立ったまま抱っこしてなんとかなだめていました。

バスに乗った頃にはもうクタクタ......(画像はイメージです)
バスに乗った頃にはもうクタクタ......(画像はイメージです)

そして、私たちが降車する前のバス停まで来たとき、他の乗客が全て降りられたんです。

「S、あとバス停1つだけど、1番前に座れるよ」

長男はお目当ての席に座れたことでやっと泣き止んでくれて、私はほっとしたと同時に、一気にひどい疲労感に襲われました。

そこに運転手さんから、声をかけられたのです。

「バス好きなんか?」

「Sくんって言うの? バス好きなんか?」

そう言ってチラッとこちらを見た運転手さん。長男が頷くと、また前を見て何事もなかったように運転に戻られました。

長男は運転手さんに話しかけられたのが嬉しかったのでしょう。いつもは外ばかり見ていますが、そこからは運転手さんに釘付けでした。いつもなら張り切って押す「次、止まります」のボタンも忘れていたくらいです。

降車ボタンを押したら運転手が......(画像はイメージです)
降車ボタンを押したら運転手が......(画像はイメージです)

私も忘れそうになっていて、慌ててボタンを押しました。すると、運転手さんが、

「次は、Sちゃんバス停。Sちゃんバス停」

とアナウンスしてくださったんです。もうビックリでした。

無言で、ニコッと笑いかけてくれた運転手さん

長男も自分の名前を言われて、最初はきょとんとしていました。

「Sちゃんバス停やって! 良かったなぁ。着いたで!」

と私が呼びかけると、「降りる!」と元気に立ち上がり、運転手さんに「あーと(ありがとう)」と言って降りました。

私も次男と降りるとき、「ありがとうございました」と、お礼を伝えると、運転手さんはただ無言で、ニコっと返してくださいました。

あの粋な運転手さん。今でも阪神バスに乗るたび、あの時の方ではないだろうか、と探しています。

長男だけでなく、育休中で早く仕事に戻りたいのに戻れない焦りと、育児疲れでぐったりしていた私の心も癒してくれました。

嬉しい忘れられない思い出です。本当に心よりありがとうございました。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

そこでJタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集したい。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、エピソードを体験した時期・場所、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※なお本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談の一部を改変している場合があります。あらかじめご了承ください)

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