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居酒屋で食事を終えた学生カップルは、会計を見て驚愕 2人のお金を合わせても、1万円以上足りなくて...

井上 慧果

井上 慧果

2022.02.14 11:00
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もし、初めて入った飲食店のメニューに値段が書かれていなかったら――。

緊張しっぱなしで、食事どころの話ではなくなってしまうかもしれない。

福岡県在住のJタウンネット読者・Tさん(50代女性)は成人したばかりの頃、まさにそんな経験をした。

飲食店でのエピソード(画像はイメージ)
飲食店でのエピソード(画像はイメージ)

恋人と二人で入った居酒屋風の店での出来事だ。

値段がわからないことで不安になったものの、店員に言われるがまま注文。そして、テーブルに運ばれてきたのは、驚くほど豪華なメニューだった。

さらなる不安を抱えながら食事を終え、会計に向かった二人を待ち受けていたのは......。

夜ご飯のために居酒屋へ

今から30年ほど前、私と夫がお付き合いを始めたばかりの頃です。二人とも20歳くらいで、楽しく過ごしていました。

当時学生だった夫は熊本出身で、福岡には住み始めて1~2年。まだ街には慣れていませんでした。

ある日、夜ご飯を食べようと入ったのが、そのお店でした。にぎわっている通りにある居酒屋のようなところです。

繁華街の居酒屋風の店へ(画像はイメージ)
繁華街の居酒屋風の店へ(画像はイメージ)

テーブルについてから気付いたのですが、そのお店のメニューには値段が書かれていません。若干の不安が頭をよぎりました。

しかも、私も夫も大人としてまだまだひよっこなので、何をどう頼めばよいか分からずドキドキ。

店員さんに勧められるがままに注文したら、びっくりするような刺身の盛り合わせがきてしまって、二人で

「大丈夫かな」

なんて言い合っていました。

隣の席の中年夫婦がこちらを見ていて...

そんな中ふと、隣のテーブルで食事されていた50代ぐらいのご夫婦がこちらを見ているのに気づきました。

「若いのにあんなの頼んじゃって」

と思われているようで恥ずかしく、知らぬふりをしていました。

やがて食事も終わり、ドキドキしながら会計へ行くと、請求されたのは確か3万円ほど。当時の私たちにはびっくりするような額でした。

支払額に驚愕(画像はイメージ)
支払額に驚愕(画像はイメージ)

そんな高いお店なんて行ったことも行く予定もなく、普通の居酒屋で数千円の食事をしようと思っていた私たちは、お互い1万円も持っていません。

カードなんてまだ持っていない時代で、どうしたらいいのか分からず固まるしかありませんでした。

後ろから、あの夫婦が...

気付けば後ろに、隣のテーブルに座っていたあのご夫婦が立っていました。そして、足りない1万円数千円をさらっと笑顔で出してくれたのです。

足りない分を支払ってくれた(画像はイメージ)
足りない分を支払ってくれた(画像はイメージ)

パニックになっていた私たちは

「あ、すみません」
「あ、ありがとうございました」

と言うのが精一杯。かろうじて連絡先を聞くことまでは思い至ったのですが、ご夫婦に

「大丈夫、大丈夫。行きなさい」

と笑顔で言われ、どうしたらよいのか分からないまま店を出てしまいました。

「私たちが会計に行ったのを見て...」

それから時は経ち、私たちは結婚。子どもを2人育て、今は夫婦2人の生活です。

「あのご夫婦を探してお礼を伝えたいよね」と何度も何度も夫と記憶を遡るも、山口県の方で、福岡には旅行で訪れていた...という事しか思い出せることはなく、何も出来ずに時が過ぎてきました。

きっとあのご夫婦は私たちが会計に行ったのを見て、すかさず自分たちも後ろに来てくださったのだと思います。

右も左も分からないようなオロオロした若いカップルを、初めから心配して気にしてくださっていたのです。

今でもあの時のご夫婦の優しい笑顔が忘れられません。まだまだ大人になりきれていない見ず知らずの私たちをさらりと助けて下さり、本当に感謝しかありません。

今、おそらく私たちは、あの時のお二人と同じくらいの歳だと思います。時折この出来事を思い出し、「あの時のあのご夫婦のように私たちもなろうね」と夫と話しています。

助けてくれた二人のように(画像はイメージ)
助けてくれた二人のように(画像はイメージ)

元気でいらっしゃれば80代ぐらいでしょうか。

私と夫の心の中には、今なお貴方がたの優しい笑顔が鮮明に刻まれております。

どうかこの感謝の気持ちが届きますように。そして、優しい笑顔で今も元気でおられますように。

本当に本当にありがとうございました。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。

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