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桜餅より一足早くやってくる冬の味 「日本最古の餅菓子」と言われる「椿餅」を知っていますか?

大山 雄也

大山 雄也

2022.02.02 08:00
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2022年が幕を開けて早1か月。まだまだ寒い時期が続くが、もう間もなく桜餅、そして端午の節句には柏餅と、餅菓子の甘い誘惑が待っている。

しかし、日々の寒さを耐え忍ぶとそんな悠長に待っていられない人もいるだろう。そんな人にうってつけともいえる冬の餅菓子のことをご存じだろうか。

その名を「椿餅」という。椿の葉で餅を挟んだ和菓子である。

椿餅(画像は亀屋良長 吉村良和@yoshimura0303さんのツイートより)
椿餅(画像は亀屋良長 吉村良和@yoshimura0303さんのツイートより)

つやのある椿の葉に、白い道明寺の餅がなんとも優美な雰囲気を醸し出している。

この写真は、1803年に創業した京都の老舗和菓子店「亀屋良長」の店主・吉村良和さんが2022年1月18日にツイッターに投稿したものだ。

桜餅や柏餅に比べるとなじみの薄い「椿餅」だが、実は非常に長い歴史がある。

吉村さんはツイートで、「平安時代の源氏物語にも登場するほど歴史のあるものです」と説明。17日付の亀屋良長のブログでは「日本最古の餅菓子といわれている」とも述べていた。

椿餅は今が旬!?

あまり聞きなれないものの、大昔からある椿餅――その存在を吉村さんのツイートで知ったという人も少なくなかったようで、

「初めて拝見しました」
「お恥ずかしいですが、椿餅は初めて知りました。味わってみたいです」

といった反応が寄せられていた。

いったい、どんなお菓子なのか。せっかくなら旬の時期に食べたいが、シーズンはいつなのだろうか。

Jタウンネット記者がメールを通じて、店主の吉村さんに椿餅のシーズンはいつなのかを聞くと、

「1月から2月にかけての間見られる京都の和菓子屋では比較的ポピュラーなお菓子です」
「京都では1月15日までが松の内なのでそれ以降2月中まで和菓子屋で目にすることができます。特に行事のお菓子ではなく寒い椿の咲く時期に茶席の菓子として用いられます」

と説明。まさに今がシーズン真っ最中だ。

今年は、亀屋良長では1月16日~2月3日、和菓子メーカー・とらやでも2月1日~24日の期間に販売している。

なお、令和になっても店頭に並ぶ現役バリバリの和菓子とあって、亀屋良長の椿餅は独自の進化を遂げている。吉村氏はこう説明する。

「金柑を梅酒で風味づけをして丸ごと白餡で包んでいます。黒文字で切れるようにあらかじめ4つわりにしてあります」
「金柑や白餡を入れるのは当店独自の工夫です」

なお、とらやのものは生地に肉桂が混ぜられていて、また味わいが全く違いそうだ。

平安時代から愛され、作り手たちの工夫で進化していく椿餅。これからも、凍てつく冬の楽しみとして残り続けていくのだろう。

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