福知山市公式アニメ「転生したら鬼退治を命じられました」に反響 退治された「酒呑童子」の正体とは
酒呑童子(鬼)=「疫病」説も?

酒呑童子(鬼)とは、何者だったのか? という問いには、こんな答えが返ってきた。
「日本の鬼の交流博物館の酒呑童子絵巻には詞書がありませんので定かではありませんが、一般的に知られている酒呑童子物語の元となった渋川版『御伽草紙』をはじめ、ほとんどが酒呑童子の出自を越後としています。酒呑童子が何者かについては様々な説がありますので何点かご紹介させていただきます」(文化財保護係担当者)
以下は、その説の紹介だ。
●修験者説......修験道は、山岳での修行によって体得した超自然的な力を駆使する呪術的な宗教。酒呑童子の生い立ちで、元々の棲み処である比叡山を追われ転々とする山々がすべて修験の霊峰である点、頼光達が酒呑童子を欺くために山伏に扮している点。千丈ヶ嶽は『禅定』(山頂で修業し悟りを開く)からきているのではないか等
●疫病神説......酒呑童子物語現存最古の逸翁本『大江山絵詞』では鬼退治の発端の日を正暦年間中と、具体的に示している点から、994(正暦5)年に流行した疫病が物語の形成に何らかの形で反映されているのではないか。という説。(この時に猛威を振るった疫病は天然痘で外国から九州と、西から都へと入ってきており、山陰道から入ってきました。)その他酒呑童子の姿が朱紅色で描かれている点は疱瘡をイメージしているのではないか等
●鉱山労働者説......全国各地の鬼ヶ城という名の山にはほとんどといっていいほど鉱山がある点、『鬼に金棒』というように鬼には鉄がつきもので、酒呑童子の棲み処は鉄の築地に鉄の門である点。タタラで鉄を取る仕事は山の乱開発であり、鉱害や山荒れは鬼の仕業ではないかと考えられたのではないか、また、灼熱に焼け爛れたタタラ師の顔は鬼に見えたのではないか...等
(文化財保護係担当者)