かつてのクラスメイトと集まる会は「同窓会」?それとも「同級会」?【都道府県別投票】
同じ学び舎で同じ時間を過ごした卒業生同士が当時を振り返る――新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いたころに、そんな機会を持ちたいと考えている人もいるのではないだろうか。
筆者が先日、取材で出会った福島県南相馬市在住の女性もその1人だった。小学校時代の同級生との再会を心待ちにしているようだったが、気になる一言があった。
「またみんなと『同級会』をやりたいですね」
その女性は同級生との集まりを「同窓会」ではなく、「同級会」と言っていたのだ。
実は、筆者がこの言葉を聞いたのはこれが初めてではない。栃木県塩谷町出身の祖父も同級会と言っていた。
また、テレビでもこの言葉が使われているのを聞いたことがある。
大成建設(東京都新宿区)のテレビCM「シンガポール篇」だ。「君の名は。」や「天気の子」で知られる新海誠さんが監督した作品だと言えば、ピンとくる人もいるだろう。
地下鉄建設工事に携わる女性がかつての級友たちに向かって
「ごめん、同級会には行けません」
と伝えるのだ。
京都大学の地域連携教育推進ユニットによる「地域連携教育研究」第2号(2018年2月)に掲載された同大学理事・森田正信氏の研究報告「校文化の地域性と起源」には、
「同窓会のことを、長野では『同級会』と言います。クラス替えがなかったためと思われます」
とあり、方言のような扱いになっている。
たしかに、大成建設のCMを監督した新海氏は長野県の出身だが......栃木県出身の祖父や福島県の女性も使っているところをみると、もっと広い地域で使われているのかもしれない。
なお、日本国語大辞典(小学館、ジャパンナレッジ版)によると、同級会は「同級生の会合。クラス会」。同窓会は「同窓の人々の催す会。また、その運営のために組織される団体」で、同窓とは「同じ学校または同じ先生に学んだこと」。
「同窓会」は集まる人の学年やクラスは問わないようだが......かつてのクラスメイトと集まることを指して「同窓会」と表現する場合は珍しくないように思える。
そこで、読者の皆さんに聞いてみたい。同級生との再会の場は「同窓会」? それとも「同級会」?