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田舎暮らしの概念が変わるかも?鳥取県湯梨浜町のカルチャー探訪録

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塩えにょ、あざみのとう、さわもだし... 道の駅で買った食材たちが、謎のベールに包まれすぎてる

福田 週人

福田 週人

2022.01.05 06:00
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「自分が何を買ったのか何一つわからない」

そんな困惑のコメントと共に投稿された写真が、ツイッター上で話題になっている。

な、なんだこれ......?(画像はすこやかむいむい@sukoyakamuimuiさんのツイートより)
な、なんだこれ......?(画像はすこやかむいむい@sukoyakamuimuiさんのツイートより)

買い物かごの中に入っているのはそれぞれ「塩えにょ」「あざみのとう」「さわもだし」と書かれた3つの袋。関東出身・在住の筆者は、どの名前も聞いたことが無い。

「あざみのとう」はおそらく植物性の何かだと思われるが......他の2つは検討すらつかない。これらは一体? 謎の商品たちに、ツイッター上でもこんな声が寄せられている。

「塩えにょってなに!!!?」
「塩えにょにさわもだしじゃないか!!全然わからん!!」
「異世界のお土産みたいな感じ」
「何というか、日本なんだけど微妙に違う異世界の日本に迷い込んだ感・・・」

3つの商品を購入したのは、千葉県在住のイラストレーター・「すこやかむいむい」(@sukoyakamuimui)さん。

Jタウンネット記者は2021年11月25日、投稿者に詳しい話を聞いた。

地元民が気軽に山菜を出品

「地獄旅」というタイトルで旅行記を描くのが趣味で、あちこちを旅しては写真撮影をしたり、絵や文章を書いたりしているすこやかむいむいさんが、「塩えにょ」をはじめとする謎の商品たちを購入したのは秋田県男鹿市にある「道の駅おが なまはげの里オガーレ」。2021年11月20日のことだ。

その土地らしく、なおかつバックパッカーでも持ち運び可能な食材を探して物産コーナーを見て回っていたという。

「道の駅おが なまはげの里オガーレ」(画像は公式サイトより)
「道の駅おが なまはげの里オガーレ」(画像は公式サイトより)
「すると、山菜の水煮や塩蔵品コーナーが非常に充実していたのに目が止まりました。
ただ『あんまり荷物が重くなってもしょうがないな~...』とも思ったので、売られている中でも特に見たことも聞いたこともない3つの山菜をよりすぐって買いました」(すこやかむいむいさん)

どうやら、謎の商品はいずれも山菜だったらしい。しかも、すこやかむいむいさんが購入したもの以外にもまだまだ様々な種類が売られていたようだ。

「こんなに話題になると知ってたらぜんぶ買ってきたり写真を撮ってきてもよかったな、と後悔しています。とはいえ、この話題で秋田や青森の人が楽しそうに盛り上がってくれたのでそれだけでも収穫です!」(すこやかむいむいさん)

なお、Jタウンネット記者がオガーレ広報担当の清水由佳さんに取材したところ、同施設で販売されている山菜および塩蔵品の種類は約30種類とのこと。

施設近隣に自然な状態のままの山が多くあるという立地の関係で、地元民が気軽に山菜を取りに行って道の駅で出品できるため、商品が充実しているそうだ。

みそ汁や煮物にして食べる

さて、「塩えにょ」「さわもだし」「あざみのとう」は、それぞれどういったモノなのだろうか。

Jタウンネット記者は12月2日、オガーレに食材を出品している上杉組(秋田県北秋田市)の山菜部の担当者に話を聞いた。

すこやかむいむいさんが購入した3種のうち、「あざみのとう」と「さわもだし」は同社が出品している商品だ。

「『あざみのとう』は、アザミ(花のアザミとは別のもの)という植物の、花を咲かせる前の茎部分を指す『とう』のことです。 5月ごろに山で採取したものを、生のまま塩蔵して保存食にします。また、採ったものの皮を剥いて茹でてそのまま食べることもできます。いずれの場合も、みそ汁や煮物にしていただきます」(担当者)
あざみのとう(画像は上杉組オンライン山菜ショップより)
あざみのとう(画像は上杉組オンライン山菜ショップより)

次に「さわもだし」だが、これはキノコの一種である「ナラタケ」の秋田での呼び名だという。こちらは9月中旬から下旬ごろの期間に山で採取できる。

「採ってきたらすぐに茹でて水洗いします。水を切ったそのまま食べることもできますが、塩蔵して保存食にもできます。塩蔵したものを食べる時は、流水で塩気を抜いたあと、みそ汁や煮物にしたり、なめこおろしの要領で大根おろしと一緒に食べたりします」(担当者)

ついに「えにょ」の謎が明かされる

最後に「塩えにょ」だが、こちらは上杉組が出品している商品ではない。ただ、同じ山菜を別の名前で販売しているとのこと。

すこやかむいむいさんのツイートより、塩抜き中の「塩えにょ」
すこやかむいむいさんのツイートより、塩抜き中の「塩えにょ」
「私たちは『さく』という名前で呼んでいます。『えにょ』というのは、県内でも能代(のしろ)の辺りでの呼び名だと思います。
5月ごろにこの山菜の若芽を採取して、塩水につけて一晩おきます。そのままでは食べることができないので、翌日に皮を剥いて塩蔵し保存。食べる際に流水で塩気を抜き、煮物・炒め物・みそ汁などにして食べます」(担当者)

すこやかむいむいさんは「さわもだし」を納豆汁にし、「塩えにょ」は出汁割りしょうゆをかけたり、さつま揚げとしいたけと一緒に炊いて食べたそう。

とくに「塩えにょ」については「過去食べた山菜で一番うまいかも」と呟いている。

皆さんも、旅先で道の駅に立ち寄った時は、見たことも聞いたこともないような地元の食材を探してみてほしい。素晴らしい出会いが、待っているかも!

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