レパートリーが豊富すぎ...! 「自販機で買ったモノ」を集めて宴を開いてみた結果【前編】
新型コロナウイルスの拡大によって、街でよく見かけるようになったものがある。
「食べ物」を売る自販機だ。
これまでもお菓子や菓子パンを売るものは駅なんかによくあった。しかし、最近は飲食店で提供されるような本格的なフードメニューを販売しているものもあるのだ。
2021年12月下旬、変わり種の自販機の情報を求めてツイッターの海をさまよっていると、どうやら記者の住む奈川県内にも様々なユニーク自販機があることが判明した。
これは、実際に買って食べてみるしかない......!
という訳で、12月17日と20日の2日間をかけて、記者は県内にある7か所の自販機を巡った。
ホクホクが嬉しい「焼きいも」の自販機
記念すべき1か所目は、横浜駅東口に位置する百貨店「そごう横浜店」内にある、こんな自販機だ。
機体上部に書かれている通り、こちらは「焼きいも」の自販機。「ほっこりあったか」と「ひえひえつめたい」という温冷2種類がある。どちらも価格は500円。
普段は地下2階の食品売り場にあるが、記者が訪れた時は「芋博」という全国各地のサツマイモを使用した焼きいもの販売イベントが行われていた関係で、会場である8階に設置されていた。
記者は「ほっこりあったか」の方を1つ購入。すると、こんな感じの金属製の筒が出てきた。手で持ってみるとほのかに温かい。
筒の蓋を開けてみると、手のひらサイズの焼き芋が3つ入った袋が入っていた。新聞紙をイメージしたデザインがレトロチックでおしゃれだ。
温かい内にさっそく袋から出して一口......といきたいところだが、今回の目的はあくまで食材の確保。冷めても電子レンジで温め直せばおいしく食べられるようなので、後でゆっくりいただくことにした。
店の味をご家庭で! 「本格イタリアン」の自販機
次に足を運んだのは、JR桜木町駅から少し歩いた野毛町エリアにある、1軒のイタリアンレストランの店頭に置かれたこちらの自販機。
販売されているメニューを見てみると、
「ナポリ風ピリ辛もつ煮込み ¥1000」
「牛ホホ肉の赤ワイン煮込み ¥2000」
「ピッツァ3種類セット ¥1800」
など、どれもこれも本格的なイタリアンが8種類。これが全て自販機で購入できるというのだから驚きだ。
どれも美味しそうで非常に悩みどころだったが、記者は「手作りクラムチャウダー」(800円)と「パスタソース2人前×2種」(1000円)をセレクトした。
料理はいずれも真空パックで冷凍された状態で出てきた。食べる時は湯煎などで温めればOKのようだ。
自販機で販売されている本格イタリアンのお味はいかに。食べるのが楽しみだ。
近所にあったら通っちゃう? 「冷凍ラーメン」の自販機
続いては、野毛町の飲み屋街の端にあるパーキングエリア前に設置されていた「冷凍ラーメン」の自販機だ。
メニューはどれも500円で、「横浜家系塩ラーメン」や「鶏白湯醤油ラーメン」など全8種類のラーメンと、サイドメニューに15個入りの餃子が取り揃えてあった。
レパートリーの豊富さにまたまた目移りしてしまうが、記者は初めて入るラーメン屋では一番オーソドックスなものを注文するようにしているので、それにならって「横浜家系醤油ラーメン」を選んだ。
麺、スープ、チャーシュー、海苔がセットになった状態で出てきた。量もお店で出されているものとほぼ同じくらいだ。これがいつでもワンコインで買えるのはお得で便利かもしれない。
色々な使い方ができそうな「だし」の自販機
4か所目は、神奈川芸術劇場(横浜市中区)に隣接する駐車場で、他の飲み物の自販機と並んでさりげなく設置されていたこちら。
力強いフォントで書かれている通り、販売されているのは「だし」だ。
鰹だしの「渾身の白だし」(800円)や、長崎産の焼きあごが丸ごと一匹入っている「自信のあごだし」(800円)など4種類があった。
大きくアピールされていた「卵かけごはんこの一本」の文句に惹かれたTKG(卵かけごはん)好きの記者は、「渾身の白だし」を購入。
出てきたのは180ミリリットル入りの瓶。緩衝材が巻かれた状態でプラ製の筒に入っているので、持ち運ぶ時も安心だ。
中華街の街角に立つ「点心」の自販機
17日の最後に訪れたのは、横浜中華街の一角の路地裏にひっそりと立っていた「点心」の自販機。
並んでいるメニューは、「豚まん」「あんまん」(各350円)といった饅頭類に、「小籠包」(12個入り1000円)や「豚肉焼売」(12個入り1200円)など、やはり中華料理店で目にするようなラインアップだ。
記者が訪れた時は、残念ながら大好物の小籠包が売り切れてしまっていたので、代わりに焼売を買うことにした。
12個の焼売がぎっしり詰め込まれたパックが出てきた。
温めるだけで食べられるので、持ち帰ってそのまま夕飯のおかずにするもよし、お弁当用に冷凍庫でストックしておくのもよしだろう。
韓国料理の定番 「キムチ」の自販機
日付は変わって20日。6か所目にやってきたのは、横浜市中区曙町の県道沿いに設置されていた「キムチ」の自販機だ。
自販機には、
「横浜初! キムチ自動販売機」
と書いてある。たしかに、少なくとも記者は横浜でキムチを売っている自販機を見たのは初めてだ。
売られていたのは、よく見かける「白菜キムチ」(580円)から、「タコキムチ」(300円)なんてものまで、8種類のキムチ。
あとはペットボトル入りの炭酸飲料(100円)や、「自家製牛筋もつカレー」(300)というものもあった。個人的にぽつんと並んだ牛筋もつカレーが気になったが、それはまた別の機会に買うことにして、「ネギキムチ」(300円)というものを買ってみた。
ボタンを押すと、出てきたプラスチックのカップにビニール袋に詰められたキムチが入っていた。カップのフタはセロハンテープで止められているのだが、すでにキムチの辛い匂いが漂っていた。
種類が豊富で選べない! 「たれ」の自販機
最後となる7か所目は、金沢シーサイドラインの駅である鳥浜駅の改札口付近に設置されていた、こんな自販機だ。
この自販機で販売されているのは、ドレッシングやポン酢、ステーキソースといった「たれ」類。全て、鳥浜駅近くにあるメーカーの工場で作られたオリジナルのものが直売されているようだ。
ラインアップは、ドレッシング類とたれ類が6種ずつ、ソース類が4種、その他2種の計18種類とかなりの品ぞろえ。まるで、ちょっとした液体調味料専門店だ。
できることなら全部買って食べ比べてみたかったが、さすがにそういうわけにもいかないので、今回はおとなしくドレッシングを1種だけ買うことにした。
選んだのは、「TAKEIのカレードレッシング」(550円)。にんにくとナッツが入った、カレー風味のドレッシングとのこと。何にかけても合いそうだ。
以上、2日間で7か所の自販機をコンプリートした。結構多国籍な感じになったがどうなるのか......
後編では、いよいよ買ってきた自販機食材たちを実食していく!