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ビートたけしに救われた町は、今―― 「ここに来れば、幸せになれる」熊野前商店街に残る思い

大山 雄也

大山 雄也

2021.12.29 06:00
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テリー伊藤さんが熊野前商店街を選んだ理由

瀬田理事長、石坂理事長と話をするうち、「復興広告計画」の舞台になぜ熊野前商店街が選ばれたのかも見えてきた。

――「元気が出るテレビ」に出たことで変わったことがあるか

「番組が理由ではないんですけど、たまたま放送を境にして商店街の建物とか道路、街路灯が全部新しくなりました。番組をやる前から元々新しくする計画があったんです」(瀬田理事長)

――商店街が新しくなる計画を狙って熊野前商店街が企画に選ばれたということなのか。

「いやいや、それは違うんです。番組の演出をやっているテリーさんが、この商店街にある床屋の長男坊と中高の同級生で、大変仲が良かった。それでテリーさんは学生時代、しょっちゅう熊野前商店街に遊びに来ていたんです。テリーさんは本当に面白い企画をテレビでやってきましたけど、その一環で『熊野前でやらせてくれないか。こういう計画があるんです』って話を持ってきたんです」(石坂副理事長)
熊野前商店街の入り口にある看板
熊野前商店街の入り口にある看板

――経緯はどうであれ、「元気が出るテレビ」に取り上げられたのは良かったと思いますか?

「ちょっとお祭り気分でにぎやかでしたし、良かったですね。若い人中心に、番組をもとにイベントをやったり、いろいろやったりしましたから良かったと思います」(石坂副理事長)

最後に瀬田理事長は、今も熊野前商店街に残る「元気が出るテレビ」への思いを教えてくれた。

「熊野前商店街は、『はっぴーもーる熊野前』っていう通称がついています。たけしさん流に言えば『ここに来れば、幸せになれる』ってことです」

番組終了から25年。「元気が出るテレビ」のイズムは、熊野前商店街に確かに残っていた。

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