ビートたけしに救われた町は、今―― 「ここに来れば、幸せになれる」熊野前商店街に残る思い
すべてはここから始まった 熊野前商店街
「復興広告計画」は、「元気が出るテレビ」が開始されたばかりの1985年に行われた企画。キャッチコピーやプロモーションビデオの作成、イベントの開催や番組オリジナルグッズを販売する「元気が出るハウス」の設置と、活気のない商店街などを番組があげて応援して復興させることを目的としていた。
この企画の最初の舞台となったのが、東京都荒川区にある熊野前商店街だ。
都電荒川線の熊野前停留場からすぐの場所にある、全長480メートルにわたる商店街。のどかな雰囲気が流れる熊野前商店街だが、「元気が出るテレビ」で取り上げられたことで全国に名前が知れ渡った。
番組からは「ここに来れば、幸せになれる」とのキャッチコピーが与えられ、このフレーズを使ったたけしさんのポスターと、たけしさんの顔を模した「たけし猫招き」の設置。松方さん、高田さんら出演者が登壇するイベントが開催されるなど、さまざまな企画が行われた。
1985年当時、人気絶頂だったたけしさんの番組で取り上げられ全国的に注目を集めた熊野前商店街。番組のブームも過ぎ去った今どうなっているのか。2021年12月3日、商店街の中にある「はっぴいもーる熊野前 コミュニティセンター」を訪れると、番組から贈られた「たけし猫招き」が残っていた。