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余命2か月の父と「最後の家族旅行」へ 楽しみにしていたご当地グルメは完売だったけど...店員の心遣いに感動

大久保 歩

大久保 歩

2021.12.26 11:00
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旅先での大きな楽しみの1つが、現地だからこそ食べられる名物である。

しかし、事前にお店を調べワクワクしながら訪れたのに、まさかの品切れ......諦めるより他にない状況だが、人によってはどうしても諦められない事情があることも。

楽しみにしていた店が...(画像はイメージ)

福島県在住のEさん(仮名、50代女性)から、家族旅行で福島県・大内宿(おおうちじゅく)を訪れたときのエピソードが届いた。

それはただの旅行ではなく、余命2か月の父の希望で訪れた、最後の家族旅行だったという。

しかし、楽しみにしていた名物の「ねぎそば」は品切れで......。

Eさんの胸に今も残っている、温かい思い出を見ていこう。

「何としてでも」と、店員が差し出したのは

家族旅行で福島県の大内宿へ行ったときのことです。

おそば屋さんで、名物の「ねぎそば」――丸ごと1本のネギを箸がわりにして食べるそばを食べたかったのですが......その日は混雑していて、普段より早めに終わってしまったとのこと。

実はその旅行は、病気の父との最後の旅で、父の希望で訪れた大内宿でした。

母はその時つい、「父が余命2ヶ月で、最後に希望を叶えてあげたかった」という話をしてしまいました。すると、お店の方が奥の席へ行かれたのです。

大内宿名物「ねぎそば」(画像はイメージ)
「何としてでも食べてって下さい」

お店の方はそう言って、自分用だったそばを提供して下さいました。

孫といっしょに外にいた父は、そのやり取りは知りません。なので、母に「お前の図々しさでゴリ押ししたんだろう」なんて笑って言ってました。

そのねぎそばを美味しく頂き、とても満足した旅の後、すぐに父は亡くなってしまいました。

最後の旅行をとても嬉しがっておりましたので、あのとき無理を言ったのに気前良くおそばを出して下さったおそば屋さんには、今でも思い出すたびに感謝でいっぱいです。本当にありがとうございました。

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