「路上に座り込む私に、優しげな若者が『うちに泊まりなよ』。隣でボロボロの老人がそれを聞いていて...」(千葉県・40代男性)
2021.12.20 11:00
こんな優しい人もいるんだ
私は22歳くらいの時、親のコネで就職した職場に勤めていました。
そこで上司や先輩とうまくいかず、とはいえコネ入社のため辞めることも出来なかった私はとうとう逃げるという選択をしてしまいました。
まだ実家住まいだったため家に帰ることも出来ず、かといって行くあてもお金もない。そんな私は仕方なく上野の駅前で一晩過ごすことにしました。
当時の上野には怪しげな人も多く、恐怖と不安でいっぱいの状態で 道路に腰を下ろし俯いていると、20代後半くらいの人の良さそうな2人組が話しかけてきました。
「ここは危ないから今夜はうちに泊まりなよ」
「布団もあるしご飯もあるからさ」
――こんな優しい人もいるんだ!
私はそう思い笑顔で「はい、ありがとうございます」といって腰を上げようとしました。
するといつの間にか隣に座っていたボロボロの服を着お爺さんに腕をグッと掴まれたのです。