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札幌とも、仙台とも異なる味噌ラーメンの魅力 山形のソウルフード「龍上海」の味をカップ麺で

オサーン

オサーン

2021.12.19 11:00
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マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界

第七十一回 セブンプレミアム「龍上海 本店 山形赤湯からみそラーメン」 文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。

「ご当地カップ麺」連載の第七十一回目となる今回は、セブンプレミアムのカップ麺、「龍上海 本店 山形赤湯からみそラーメン」をレビューします。

山形・南陽市に本店がある赤湯辛味噌ラーメンの名店「龍上海」の味を再現した、セブンプレミアムの名物カップ麺です。

セブンプレミアム「龍上海 本店 山形赤湯からみそラーメン」

「龍上海」は創業1958年の名店。山形県内に多店舗展開する山形を代表するご当地ラーメンのひとつで、「赤湯ラーメン」と呼ばれることもあります。

「ラー博」でおなじみ「龍上海」のカップ麺

前回ご紹介した「琴平荘」や「酒田ラーメン」や「米沢ラーメン」などもある山形県。実は全国でも有数のラーメン大好き県なのです。

そんな中でも「龍上海」は歴史が古く、山形のソウルフードとも称されます。

地元では古くから名店として知られていましたが、全国的に広く知られるようになったのは、2005年に新横浜の「ラーメン博物館」に出店したことが大きかったようです。

「ラー博」出店からすでに15年以上も経っており、長期に渡り大きな支持を集めていることが窺えます。

筆者は「ラー博」の歴代ラーメンを全部食べたことがあるわけではありませんが、「龍上海」は食べて感動したラーメンのひとつでした。

「赤湯からみそラーメン」を再現

また、2008年に明星食品製のカップ麺がセブン-イレブンで発売されたのも、「龍上海」の名が全国区になる大きなきっかけとなりました。

今回の商品も明星食品&セブンの商品で、「ラー博」同様にカップ麺も脈々と現在まで受け継がれています。

今回再現されたのは、お店の看板メニューである「赤湯からみそラーメン」。味噌ラーメンに添えられる辛味噌が大きな特徴ですが、魅力はそれだけではありません。

「龍上海 本店 山形赤湯からみそラーメン」の内容物を確認

「龍上海 本店 山形赤湯からみそラーメン」の内容物

「液体スープ」の他に「辛味噌」の袋もついています。他に「かやく」と「ふりかけ」の計4袋。

定価が250円を超える高額商品ですが、それに見合うリッチな構成。麺は太めのノンフライ麺が入っています。

麺の上にかやくを開けた状態

かやくはすべて1袋に収まっていますが、チャーシューの他にメンマが多めに入っており、ネギやナルトも入って充実しています。

煮干しを効かせた味噌味スープがかなり旨い

煮干しを強く効かせた味噌味のスープ

鶏や豚の動物系のベースに、煮干しをしっかり効かせた味噌味のスープです。

味噌ラーメンの代名詞的な存在である札幌味噌ラーメンは、太い豚骨ベースにたっぷりラードを浮かせた豚全開なスープなのに対し、「龍上海」のスープは豚よりも煮干しが目立っており、白味噌と合わせて雰囲気がまったく異なります。

煮干しだしの味噌味なので、「味噌汁風」のスープと形容されることもあるそうです。

スープ表面にはラード

スープ表面にはラードが浮いており、こってり感を演出。決してあっさりではないし、味も濃いのですが、煮干しが香ることで繊細さが感じられ、こってり油や塩気の強さで力技に走る他の味噌味スープとは一線を画しています。

「龍上海」は後述する辛味噌が大きな特徴ですが、辛味噌を抜きにしても煮干しの風味が前面に出た味噌味スープは十分に独特で、かなりおいしいです。

辛くてニンニクガツンの辛味噌

辛味噌は最初からは溶かさない

辛味噌は、赤味噌をベースに唐辛子やニンニクを加えています。混ぜ合わせていくことで、スープの味がまったく別の味に変化していきます。

味が大きく変わってしまうので、いきなり溶かさずにまずはプレーンなスープを楽しみ、後半戦に徐々に溶かして味の変化を楽しむのがおすすめ。

食べ進め、ある程度スープが減ってから辛味噌を溶かすことで、最初から溶かすよりも味の変化が大きくなり、結構な辛さを感じることができます。

ニンニクもガツンと強力で、煮干しとニンニクの共鳴が印象的です。

弾力の強いノンフライ麺

麺は中太で縮れの強いノンフライ麺。やや平打ちで手もみ風。麺表面のつるみの強さと強い弾力、コシが特徴となっています。

もちもちながらやわらかさも感じるお店の麺とはだいぶ印象の異なる強い弾力ですが、今回の麺もスープの煮干しや辛味噌の強さに負けない主張があり、バランスが取れていて好相性でした。

イイ働きをした「あおさ」

チャーシューやメンマで具は充実

具として入っているのは、チャーシュー、メンマ、ネギ、ナルト。

チャーシューは、高額商品と考えると少し小さめで物足りませんが、肉感はしっかりあるタイプ。

メンマがたくさん入っており、お店の一杯を再現しています。

あおさで磯風味アップ

そして特徴的なのがあおさ。まるでお好み焼きのようなあおさがかかった見た目はラーメンとしては独特ですね。

その上、スープの煮干し風味を増強する形で磯風味を加えており、味も見た目も効果的な存在でした。

味噌ラーメンは千差万別

一口に味噌ラーメンと言っても、札幌、仙台、長野(信州)......それぞれの地域の「ご当地味噌ラーメン」の特徴は千差万別で、「龍上海」の「赤湯ラーメン」もそれらとはまったく別の魅力がありました。

全国にあるお店の味噌ラーメンを食べ比べるのは難しいですが、カップ麺ならそれが可能。

これから寒くなってくると、よりいっそう味噌ラーメンがおいしく感じられるようになります。

家でぬくぬくとしながら、カップ麺で各地を旅行した気分に浸るのはいかがでしょうか。

筆者:オサーン

カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 Twitter(@ossern)
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