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旅先いい話

「友人に会いに行くため、大嫌いな飛行機に搭乗。恐怖で震える私を見て、隣の席のカップルが笑いだし...」(京都府・30代男性)

福田 週人

福田 週人

2021.11.14 11:00
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旅行するのは好きだけど、飛行機に乗るのはちょっと怖い......そんな人は少なくないだろう。

搭乗したはいいが、恐怖や緊張のせいで目的地に着くまで気が気じゃなかったり、何度もトイレに席を立ってしまったり。

Jタウンネット読者のRさん(30代男性)も、まさにそんな飛行機が苦手な人の1人だ。

飛行機に乗るのが苦手で......(画像はイメージ)
飛行機に乗るのが苦手で......(画像はイメージ)

Rさんは20代半ばの頃、台湾に住んでいる友人に会うために、初めての海外旅行をすることに。

交通手段はもちろん、苦手な飛行機。勇気を出して乗ったものの、緊張で冷や汗が止まらなくなってしまう。

体の震えが収まらず、何度もトイレにいくRさん。そんな彼を、隣の席に座っていた同年代くらいのカップルが、笑った。

冷や汗ダラダラ、体はガタガタ

私は飛行機が大嫌いなのですが、20代半ばの頃、台湾へ引っ越した友達から「1度くらいこっちに遊びにおいでよ」と頻繁に誘ってもらっていました。

断り続けるのも申し訳なかったし、当時はまだ海外旅行経験も無く、人生1度くらいは海外旅行に行ってみたいという気持ちもあったので、意を決してネットで一人分の飛行機のチケットを取ったんです。

しかし、やっぱりいざ当日になると搭乗手続きあたりから逃げ出したくなるほど怖くなってきました。

搭乗前からもう怖い...(画像はイメージ)
搭乗前からもう怖い...(画像はイメージ)
「せっかくだから! お金ももう払ったから! 3時間耐えればそこはもう台湾だから!」

私は自分を奮い立たせ、再び意を決して飛行機に乗り込みました。

予約した席に座って精神統一を始めていると、周りには結構な数の空席があったのに、自分の隣に同じ歳くらいの台湾人カップルが。

せめて一人でゆったり座っておきたかったのに......そんな残念な気分のまま、いよいよ飛行機が飛び立ちました。

その数分後、案の定私は冷や汗ダラダラ、体も震えが止まらなくなっていました。

苦手な英語で話しかけられ、さらにパニックに

緊張のあまり、途中何度もトイレに行きました。トイレに行くたびに隣の台湾人カップルに道を開けてもらうことになり、申し訳ないやらめんどくさいやらと思っていました。

やがて、トイレから戻って来た私に、台湾人カップルの男性の方が声をかけてきました。

「Are you okay?」

私は英語も苦手なのでさらにパニックに。それでも、彼は何度も簡単な英単語と身振り手振りで私に話しかけてきます。

「あなたはすごい汗をかいている」
「何度もトイレにも行っている」
「何か病気があるのか、体調は大丈夫か」

そんな質問に、「いや、飛行機が怖いだけです」と私が答えると、そのカップルは大笑い。そして、こう言いました。

「この飛行機は日本の航空会社で、パイロットもキャビンアテンダントもみんな日本人。だから世界一安全な飛行機だから大丈夫だよ」

二人の英語を必死に聞き取っていると...

飛行機が苦手な自分を心配してくれて...(画像はイメージ)
飛行機が苦手な自分を心配してくれて...(画像はイメージ)

彼らはその後も、自分たちは日本旅行の帰りであること、京都・大阪・兵庫・広島に行ったこと、日本でこんなものを食べたことなどを、写真を見せながらずっと私に聞かせてくれました。

また、私の持ってきた台湾ガイドブックを開いて、

「台湾に着いたらここに行くといいよ」
「ここも楽しいよ」
「このご飯は美味しいよ」

といったアドバイスもいっぱいしてくれました。

慣れない英語を必死に聞き取りつつ話を聞いていると、気付けば「もうすぐ着陸する」という機内アナウンスが!

カップルの2人が話しかけ続けてくれていたお陰で、緊張も恐怖も忘れてあっという間に台湾に辿り着くことができたのです。

もう会えないと思っていたら......

到着後、私はカップルに何度もお礼を伝えました。すると彼らは、

「僕達は台北の○○駅近くに住んでいるよ。もし近くに来たら連絡してよ。一緒にご飯を食べよう」

と連絡先を教えてくれたのです。

ただ、なにしろ私は初めての台湾なので、土地勘もまったくありません。

自分の友人が台北のどこに住んでいるかさえわからないほどだし、「もう2度とこの2人には会えないだろうな」と思いながら彼らと別れました。

台北の土地勘はまったく無いし......(画像はイメージ)
台北の土地勘はまったく無いし......(画像はイメージ)

ところが、タクシーで友人の住所を伝えて送ってもらったら、なんと友人も偶然あのカップルが住んでいる場所の近辺に住んでいる事が判明! 慌てて連絡したところ、見事に翌日に再会できました。

「初めての台湾、楽しんでね!」

その晩は私と友人とカップルの4人で晩ご飯を食べました。

カップルには「飛行機の中で本当に怖がっていて面白かった」と散々笑われもしましたが、最後には、

「怖い思いして来てくれたご褒美だよ! 台湾へようこそ! 初めての台湾、楽しんでね!」

と言って私の分の食事代を払ってくれて、笑顔で送り出してくれました。

初めての海外旅行、初めての一人での飛行機旅でしたが、あのカップルが偶然にも隣に居てくれて本当に心強かったし、現地の方との素敵な出会い、優しさにも触れられて、結果的には大満足の旅行となりました。

その時の2人とは今でもSNSで連絡を取り合っています。未だに飛行機は苦手ですが、コロナが落ち着いたらまた会いに行きたいです。

「忘れられない旅先でのエピソード」、教えて!

飛行機を怖がっていたRさんを気にかけ、現地では一緒にご飯を食べようと誘ってくれたカップル。彼らのお陰で、Rさんの台湾旅は一生モノの思い出になったことだろう

皆さんにも、旅の道中でピンチに陥った時、心細い時に手を差し伸べてくれた人はいるだろうか。

Jタウンネットでは読者の皆様の「旅先のほっこりエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、旅行に行った時期・場所、具体的なエピソード(どんなことにほっこりしたのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

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