「夜を切り裂いて朝がきそう」 秋の星空にひときわ輝く「火球」が激しく幻想的
2021.10.26 21:00
「偶然撮影に成功したものです」
関岡さんはプロカメラマンを目指しており、普段は仕事の傍らで近畿の星空をメインに撮影しているそう。注目を集めた写真は、2020年10月24日に奈良県と三重県の県境にある大台ヶ原山の正木峠で写したもの。
「光の線」の正体は流星で、中でも特に大きく明るい「火球」と呼ばれる類のものだという。
「僕は、当時は『大台ヶ原の美しい星空を残す』をテーマに活動していました。そしてこの日はオリオン座流星群が撮れる期間だったので、それを狙いに足を運びました。
投稿した写真のように(足元の)木道を入れた構図で流星を撮りたかったので、3時間ほど同じ構図で撮影を続けていました」(関岡さん)
撮影時は、ズームレンズを装着した一眼レフカメラを使い、1秒間に自動で1枚の写真を撮影するようカメラを設定して臨んだそうだ。
「ターゲットは流星なので、もちろん狙ったわけではなく偶然撮影に成功したものです。
当日はオリオン座流星群が流れる可能性の高いタイミングだったので、自分の撮りたい構図で流星が流れるのを心待ちにしながら、ずっと同じ写真を撮り続けました」(関岡さん)
積み重ねたボツショットは、実に数百枚以上。さらに、撮影当時の正木峠では風速18キロメートル毎時の強風が吹いており、話題の写真を撮影した後には三脚ごとカメラが飛ばされて故障してしまったという。関岡さんいわく「修理代は20万円」。
かなりの苦労を伴いつつも激写した、まさにベストショットな一枚だったというわけだ。