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「保護犬を引き取ったら、思いのほか大きく成長。マンションの管理会社に処分か退去を迫られて...」(兵庫県・性別不明60代)

ご近所トラブル調査団

ご近所トラブル調査団

2021.10.09 08:00
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大事な家族を処分しなくてはいけない──。

兵庫県在住の60代・Xさん(仮名)はある日、マンションの隣人であるYさんからそんな相談を受けた。

二人が住んでいるマンションでは小型犬と中型犬ならペットにすることができ、元保護犬を飼育するXさんの影響で、Yさんも自分の家で犬を飼い始めたそう。

ところが、ある日Xさんの家に思いつめた顔のYさんが訪れ、「処分」という言葉を口にしたのだ。

愛犬を処分しろと言われて......(以下、画像はイメージ)
愛犬を処分しろと言われて......(以下、画像はイメージ)

一体なぜ、そんなことをしなくてはならないのか。

XさんがYさんに理由を聞いてみると、その裏には他の住民からの「苦情」があったという。

――XさんがJタウンネット編集部宛に寄せた、そんな「ご近所トラブル」の顛末をご紹介しよう。

「うちでも犬を飼おうと考えている」

私の住んでいる分譲マンションでの出来事です。

マンションの規定では、犬の飼育は中型犬まで、小型犬なら2頭まで飼育可となっており、我が家にも1頭の小型犬がおります。

我が家の愛犬は元保護犬で、引き取ってきた時は人間不信で噛みつくなどなかなか大変でした。しかし3か月ほど経過した頃には人に慣れ、嚙むこともなくなり、友人が家に遊びにきても尻尾を振りながら甘えるようになりました。

そんな中、以前から仲良くしていたお隣のYさんから、

「うちでも犬を飼おうと考えている。ペットショップで買うより、保護犬を引き取ろうと思う。相談に乗って欲しい」

と言われ、快諾しました。

それから色々とリサーチを進めて、生後3~4か月の1頭の子犬と出会い、お見合いを経てYさん宅に迎えられることになりました。

Yさんはとても喜び、我が家の犬とも仲良く一緒に散歩に出かけたりと、楽しい日々を過ごしていました。

「処分するか引っ越すか、選んでほしい」

お隣さんも喜んでいたけど......
お隣さんも喜んでいたけど......

それから月日が流れるにつれて、Yさん家の小さかった子犬はみるみる大きくなり、半年ほど経ったころには立ち上がると大人の身長よりも大きいほど立派な体格になっていました。性格は大人しくてとても人懐こいのですが、いかんせん体が大きいので子供などには少し驚かれていました。

そんなある日、Yさんが深刻な顔で我が家を訪れ、「犬を処分しないといけない」と言い出したのです。

理由を聞くと、

「『明らかに大型犬である』とマンション住民から苦情が出ており、処分するか引っ越すか選んでほしい旨を通告された」

との事でした。

たしかに、私たちの住むマンションの規定では、大型犬の飼育は認められていません。

しかし、Yさん家が引き取った犬は複数の犬種のミックスで、子犬の段階ではどれほどの大きさに育つのかが分からなかったのです。

今になって大型犬に育ってしまった事を悔やむわけにもいかず、何よりも家族の一員となった愛犬の処分を迫られ、Yさん家はすっかり憔悴しているようでした。

子供を守りたいという思いで反対する家族も

私を含め犬を飼っている住民は、Yさん家の犬が性格も良く大人しい事をわかっており、「処分しろ」というのは理不尽な主張に感じられました。

ですが、世の中には犬が全くダメな方もおり、集合住宅である以上は色々な方が住んでいるのも事実です。

なので、ここは苦情を出した住民の理解を得るしかないと考え、私は翌日からYさん家と一緒に朝の散歩中に敷地内の掃除をするなど、彼らに犬に触れてもらう機会を増やそうとしました。

犬と触れ合う機会を増やし......
犬と触れ合う機会を増やし......

同時に、マンションの管理会社とも話し合いを行い、この件を年末の住民総会の議題に挙げて貰う事となり、総会に犬の参加を認めて貰う事もできました。

総会当日は、大型犬の飼育に反対している家族も参加され、大型犬が子供達に与える危険について説明されました。頷いている人、首を傾げている人、参加者の反応はまちまちに見えました。

対する私たちも、いかにYさん家の犬が大人しいかということ、普段からリードを短く持って住民に危害を加えないように留意していることなどを説明しました。

「これは、一つの命についての採決です」

その後、飼育を認めるか否かの採決を行う時に、管理会社の方が、

「これは、犬の飼育に関する事ではありますが、一つの命についての採決です」

とコメントされ、一瞬会場が静まりかえりました。

結果、飼育は認められることとなり、私たちはホッとしました。

総会終了後に管理会社の方に御礼を伝えに行くと、

「過去にも同様な事例があり、処分されてしまったペットを多く見た」

と言っていました。

報道などでは大きく取り上げられていませんが、今回の一件のように人間の勝手で無くなる命があるのだと知りました。

ペットは家族です。自分勝手な都合で、捨てたり処分したりしない世の中になって貰いたいものです。

ちなみに、Yさん家の犬はその後も毎日元気に愛想を振りまいていて、今ではマンションのアイドルとなっています。飼育を反対していた家族の子供たちも見かけると抱きつきにきて、今では仲良くしています。今後も少しでもトラブルの無いようにしたいものです。

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