「トラックに荷物を積んでいたら、足に激痛。すると突然、知らない男性が荷台に乗ってきて...」(愛知県・50代女性)
Jタウンネットでは、皆さんの思い出に残っている「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
今回は愛知県の50代女性F村さん(仮名)から寄せられた投稿をご紹介する。
彼女は20年ほど前、大型トラックの運転手だった。
寝不足や重い荷物の積み下ろしのせいで、首や腰に痛みを抱えていたが、それでもトラックに乗りたくて頑張って仕事をしていたという。
しかし、そんなある日。荷台に重い荷物を積んでいると、足の付け根から痺れるような痛みが走った。
しかし彼女は、誰に助けを求めることもできず......。
ほかの運転手の、好奇の目線を無視しながら...
20年ほど前になりますが、私はちょっと派手な大型トラックに乗っていました。
当時は、連日寝不足なのはどこのドライバーも同じ。体のどこかが悪い人も多かった時代でした。
私も例に漏れず首と腰にヘルニアを抱え、痛みを抱えながらもトラックに乗りたくて頑張っていました。
ある日、夕方に荷物を積んで名古屋で下ろしてから軽井沢の農協へ行きました。
そこで、荷物を積む作業があったのですが......。
依頼書には15キログラムと書いてあったネット入りのキャベツが、現地で聞くと35キログラムあるとのこと。
私は、周りで駐車して荷物待ちをしている他のトラックの運転手たちの好奇の視線を無視しながら、手は遅いけれども積み始めました。
そうして3分の1ほどキャベツを積んだ頃、足の付け根から痺れるような痛みが走り、地面に足をつけられないほどに......。
気が強いだけで仕事をしてきた私は、誰にも悟られないように作業を続けていましたが、内心号泣したいほどでした。
そんな時、野菜を入れるダンボールの配達に来た2トントラックの運転手のお兄さんが、いきなり私のトラックの荷台に乗ってきたのです。
「お姉さん、腰ヤバいでしょ?」
「お姉さん、腰ヤバいでしょ? 俺もやったことあるからわかるよ」
お兄さんはそう言って、一緒にキャベツを積んでくれました。
ようやく積み終わった後、
「お礼は言ったけれどもせめてお茶かコーヒーを買って渡そうか」
と思い、私が運転席から小銭を持って降りた時には、そのお兄さんはもういませんでした。
積み込みを手伝ってもらって本当に感謝していますが、キチンとお礼ができなかったことが心残りです。
軽井沢の農協の人に「あのお兄さんが来たら渡してください」と1000円札を置いてきたのですが、あの時のお兄さんに渡っているといいなぁ、と20年間思っておりました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
そこでJタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集したい。
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(※なお本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談の一部を改変している場合があります。あらかじめご了承ください)