子牛を馬の群れで育てると、馬のように育つらしい
兵庫県神戸市の北側に連なる六甲山、その山上にはクラシカルなホテルや西洋館が点在する。明治初頭、神戸に居住した欧米人の別荘地としても知られていたという。
ここにスイスの山岳牧場をモデルにつくられた六甲山牧場がある。
2021年8月22日、六甲山牧場公式アカウント(@rokkosanbokujo)から、次のようなツイートが投稿され、話題となっている。
六甲山牧場には自分の事を馬だと思っている牛がいます??
-- 六甲山牧場【公式】 (@rokkosanbokujo) August 22, 2021
名前はランボルギーニ??
子供の時から馬の群れで育ったので馬のように走り、馬のように人も乗せれます??#六甲山牧場#乳牛#ホルスタイン#乗牛 pic.twitter.com/dhPX6Ie1dS
写真をよく見ると、カウボーイ姿の青年が乗っているのは、馬ではなく、牛だ。「六甲山牧場には自分の事を馬だと思っている牛がいます」というコメントが添えられている。しかも「名前はランボルギーニ」らしい。
「子供の時から馬の群れで育ったので馬のように走り、馬のように人も乗せれます」と付け加えられている。このツイートには、2万件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散中だ(8月27日現在)。
ツイッターには、こんな声が寄せられている。
「ランボルギーニ乗ってみたい」
「まさにカウボーイ」
「心なしか姿勢も馬っぽい」
「ランボルギーニ Cowンタックですね」
ランボルギーニって、いったいどんな牛なんだろう? Jタウンネット記者は、六甲山牧場に取材した。
生後3カ月で馬の群れの中へ
神戸市立六甲山牧場は、兵庫県神戸市灘区の六甲山上にある観光牧場だ。羊、ヤギ、牛、馬などを飼育する他、チーズ館や工房、レストラン、カフェなどを営業している。
Jタウンネット記者の電話取材に応じたのは、六甲山牧場で馬の飼育を担当する前田浩樹さんだった。
「そもそも牛を馬と同じようにトレーニングしてみたら、と発案したのは、5年以上も前のことでした。5年前、ホルスタイン舎で生まれた子牛をランボルギーニと名前をつけ、3カ月は牛舎でミルクを飲ませましたが、その後は馬の群れの中に移しました」
「最初こそ、馬社会のルールが理解できず苦労してたようですが、順応性があったようで、あっというまに馬社会のルールも習得していきました。ランボルギーニは賢い牛だと思います」(前田浩樹さん)
現在は、馬と一緒に人を乗せるトレーニングをしており、昨年末には、お客様を乗せて写真撮影するイベントにも登場したという。「いずれはホースショーにも参加してもらおうかな、と思ってます」と前田さんは抱負を語った。
ところでツイッターの反応の中には、
「乗馬ならぬ乗牛動画も見てみたいです」
「ランボルギーニのお馬さんみたいに走る動画が見たいです!」
「動画はないんですか? ぜひぜひ動画が見たいです」
といった声が多かったが......と聞くと、「動画は既に収録済みで、近日公開予定です」と前田さん。ランボルギーニが疾走する雄姿は、六甲山牧場【公式】で、ぜひご確認を。