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「水族館でお寿司を展示する時代か」 サーモン握りにしか見えない謎の生物が話題に→飼育員に正体を聞くと...

福田 週人

福田 週人

2021.07.23 18:00
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どうしても握り寿司に見えてしまう──。

そんな声とともに、とある「深海生物」の姿がツイッター上で話題になっている。

一体、どんな生き物なのだろうか。実際の写真が、こちらだ。

ここまでそっくりなことある?(以下、画像はアクアマリンふくしま広報より提供)
ここまでそっくりなことある?(以下、画像はアクアマリンふくしま広報より提供)

細かい砂が敷き詰められた水槽。その中に、白い縞模様の入ったオレンジ色の物体がある。色味といいフォルムといい、パッと見ではお寿司屋さんでも定番のネタであるサーモンの握り。

しかし、写真をよく見ると、「サーモン」の左端には黒い眼のようなものが、そして「シャリ」に見える部分には何本か脚のようなものがくっついている。お寿司ではなく、れっきとした生物なのだ。

お寿司にそっくりすぎる謎の生き物に対し、ツイッター上では、

「水族館でお寿司を展示する時代かー。え、違う?」
「どう見てもサーモンの握りにしか見えませんでした」
「野生の寿司は実在した」
「Oh...Living SUSHI...」

といった声が寄せられている。

話題になっているのは、福島県いわき市にある水族館・アクアマリンふくしまの公式ツイッターが2021年7月20日に投稿した写真。Jタウンネット記者は21日、同館を取材した。

深海に生息する甲殻類の仲間

取材に応じたのは、問題の生き物の担当飼育員である日比野麻衣さん。投稿した写真は19日、館内にある「親潮アイスボックス」エリアの展示コーナーで撮影したものだ。

ツイッターでは「サーモンの握り」と一緒に、「白身魚の握り」のような生き物も紹介されていた。

こっちは白身魚のお寿司?
こっちは白身魚のお寿司?

彼らは、一体何なのか。

「どちらも深海に生息しています。白色の方はヨコエビという甲殻類の仲間で、オレンジ色の方は、魚に寄生するウオノエという甲殻類の仲間です」

と日比野さん。

この2個体は両方とも、知床半島(北海道)の東にある羅臼(らうす)町の沖、水深800~1200メートルからやってきた。

地元漁師による深海での漁の際に混獲(漁獲対象とは別の種を意図せずに漁獲すること)された後、アクアマリンふくしまに送られ、17日から展示されている。

正面からだと眼の部分が分かりやすい
正面からだと眼の部分が分かりやすい
「生きているところを生で見られるというのは、私たち水族館の飼育員からしても珍しい。他の生物とはまた違った不規則な動きを見せたりもするので、面白いです。
映像で深海での様子を見たことはありますが、水槽の中だからこそ見せる動きもありそうで興味深いですね」(日比野さん)

また、ツイッター上で「お寿司みたい」という反響があることについて、日比野さんは、

「そういう発想もあるんだな、と驚きました。なかなか見る機会がなく、そもそも名前すらあまり知られていない生物なので、どういう形であれこうして注目してもらえるのは嬉しいです。
生きているうちに、ぜひ実際に水族館に見に来ていただければと思います」

とコメントしている。

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