「水族館でお寿司を展示する時代か」 サーモン握りにしか見えない謎の生物が話題に→飼育員に正体を聞くと...
2021.07.23 18:00
深海に生息する甲殻類の仲間
取材に応じたのは、問題の生き物の担当飼育員である日比野麻衣さん。投稿した写真は19日、館内にある「親潮アイスボックス」エリアの展示コーナーで撮影したものだ。
ツイッターでは「サーモンの握り」と一緒に、「白身魚の握り」のような生き物も紹介されていた。
彼らは、一体何なのか。
「どちらも深海に生息しています。白色の方はヨコエビという甲殻類の仲間で、オレンジ色の方は、魚に寄生するウオノエという甲殻類の仲間です」
と日比野さん。
この2個体は両方とも、知床半島(北海道)の東にある羅臼(らうす)町の沖、水深800~1200メートルからやってきた。
地元漁師による深海での漁の際に混獲(漁獲対象とは別の種を意図せずに漁獲すること)された後、アクアマリンふくしまに送られ、17日から展示されている。
「生きているところを生で見られるというのは、私たち水族館の飼育員からしても珍しい。他の生物とはまた違った不規則な動きを見せたりもするので、面白いです。
映像で深海での様子を見たことはありますが、水槽の中だからこそ見せる動きもありそうで興味深いですね」(日比野さん)
また、ツイッター上で「お寿司みたい」という反響があることについて、日比野さんは、
「そういう発想もあるんだな、と驚きました。なかなか見る機会がなく、そもそも名前すらあまり知られていない生物なので、どういう形であれこうして注目してもらえるのは嬉しいです。
生きているうちに、ぜひ実際に水族館に見に来ていただければと思います」
とコメントしている。