幼虫を守るミツバチたちのために... 神社の手水舎に設置された、ちいさな「専用水飲み処」がやさしい
2021.07.21 18:00
数年ぶりに「御来社」
取材に応じたのは、同神社の禰宜(ねぎ・神社における神職の職名の1つで、宮司の補佐をする立場)である大塚裕一(ひろかず)さん。
ミツバチのための水飲み場は一週間ほど前に神社の手水舎に設置したものだという。
「暑くなると、ミツバチたちは巣の中の温度を下げて幼虫を守るために水を運ぶ習性があり、神社の近所にいるミツバチたちもその習性から手水舎に水を求めてやってくるんです。
ただ、基本的にはとても大人しく危険の少ないハチとはいえ、やはりあちこち飛び回っていると参拝客の人たちも怖がってしまうので、どこか一か所に集めた方が良いだろうということでこの水飲み場を設置しました」(大塚さん)
大塚さんによると、ミツバチ用の水飲み場を初めて設置したのは、5年ほど前のこと。
ここ数年はミツバチたちが神社にやってこなくなり設置していなかったのだが、今年の夏になって久々に「御来社」してきたので、また設置することにしたそうだ。
水飲み場は、竹を半分に切ったものに砂利を詰め、その上に苔を置いて作っている。
苔を置いているのは、あまり水位が深いとミツバチが溺れてしまうので、それを避けて水を飲みやすいようにするためだ。
数年ぶりにやってきたミツバチたちについて大塚さんは、
「数年ぶりにミツバチたちがやってきてくれて嬉しいです。
ただ、現状だと水を飲みに来るミツバチたちがかなり『密』になってしまっているので、彼らのソーシャルディスタンスも保つために、もう少し拡張しようかと思っています」
と語った。