「片手に息子が乗ったベビーカー、もう片方には荷物と娘。長い階段の前で立ち尽くす私に、若い女性が...」(山口県・40代女性)
若い女性は何も言わず、ベビーカーを...
それは、I島さんが4歳になる娘とベビーカーに乗せた0歳の息子を連れて、買い物に出掛けた帰り道のことだ。
I島さんたち親子は電車を降り、ホームに向かっていた。
「息子は疲れたのかスヤスヤと眠っており、そのベビーカーを片手で押し、もう片方の手で買い物袋を持ちながら娘の小さな手を引いていました。
そんな状況だったので、ホームまでの下りの長い階段をどうやって降りたらいいのか、それとも荷物と娘を残し先にベビーカーの息子だけを降ろそうか、と迷っていました」(I島さん)
と、そこへ20代の若い女性がスッとベビーカーの横に立ち止まった。
彼女は無言でベビーカーのサイドを抱えるようI島さんにうながし、一緒に階段の下まで降ろしてくれたという。
「彼女は何事もなかったかのように立ち去っていきました、その間ほんの2、3分だったと思います。
お礼を言う間もないほどで、私はその女性の背中に頭を下げ、ホームを出ました」
しかしその直後、今度は娘が「喉が乾いたからジュースが飲みたい」と言い出した。
I島さんは自販機で缶ジュースを買い、娘にそれを飲ませながら家に向かい歩き出したのだが......。
「途中、疲れたせいか娘が『うまく飲みきれないからストローが欲しい』と泣き始めて、今は我慢しなさいとなだめながら、コンビニの前を通りかかったときでした」
「さっきとは別の20代の若い女性が私たちの目の前を遮るようにコンビニに入って、すぐに出てこられ、私に『はい』ととだけ言ってストローを差し出してくれました。
そして、これまた私がお礼を言う間もなく、彼女は反対方向にすぐに去ってしまいました」
二人の若い女性の親切な対応に感動して、どこかで再会できたら......と思いつつ、かれこれ16年が経った。
I島さんは、助けてくれた彼女たちに「ありがとう」と伝えたいという。
「どちらも一瞬の出来事でお顔を覚えていないので、せめてこの場を借りてお礼がしたいです。
あの時のご親切は忘れません、感謝しております」(I島さん)
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
そこでJタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集したい。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、エピソードを体験した時期・場所、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※なお本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談の一部を改変している場合があります。あらかじめご了承ください)